シミュレーションで実験計測が難しい生体分子構造や動態を調べる
キーワード: 分子シミュレーション 生体分子 統合モデリング 自由エネルギー計算
様々な疾患も含めた多くの生命現象がタンパク質などの生体分子によって引き起こされており、生命現象の理解や疾患の根本的な治療にはミクロな領域での分子構造やダイナミクスを観察することが重要です。分子動力学シミュレーションは、原子解像度を持つ生体分子モデルを計算機の中に再構築し、物理法則によって分子を動かすことでミクロな振る舞いを「直接」観測することができる技術です。コンピュータの計算能力と相まって近年では計算顕微鏡と呼ばれるまでに発展し、実験を補完する手法として盛んに利用されています。 ただし、創薬や材料開発へ貢献するには「計算時間がかかりすぎる」「モデル精度の限界」という二つの課題があります。1 つ目の課題に対して、我々は効率的なアルゴリズムを導入することで、次世代抗体などのループ構造を短い時間で予測できるよう取り組んでいます。二つ目の課題に対して我々は、統計数理・機械学習による手法を導入して、実験データとシミュレーションを統合してより精度の高い観測を実現する手法開発に取り組んでいます。
- Company:埼玉大学 オープンイノベーションセンター
- Price:応相談