有機物質で実現する次世代量子デバイスの可能性
キーワード: 有機導体 量子スピン液体 超伝導
有機物は、プラスチックなど身の回りにあふれた材料の一つですが、通常電気を流しません。しかしながらここ50 年くらいで急速に材料開発が進み、有機エレクトロニクスという分野が確立し、柔軟性・軽量性に優れたこれらの材料は現代社会に不可欠となっています。 私の研究では、有機物を使い、単に電気を流すだけではなく、さらに超伝導と呼ばれる電気抵抗がゼロになる材料や量子スピン液体、電荷ガラス、ディラック電子系などと呼ばれる、従来の物理学では理解が難しい現象を対象としています。これらの性質は電子相関や特徴的な電子構造が関わるとされ、未知の物理が潜んでおり、量子コンピュータや省電力デバイスなど、次世代技術への応用が期待されています。 普段の研究では、分子合成技術と精密物性測定技術を組み合わせ、化学と物理の境界で誰もできなかった発想で研究を進めることで、従来の性能を超える有機材料や新しい物理現象の探索を進めています。
- 企業:埼玉大学 オープンイノベーションセンター
- 価格:応相談