沈殿槽の代わりに膜で汚泥と水を分けるMBR。膜が担う役割と、運転で避けて通れない膜の目詰まりの見方・洗浄の考え方を解説します。
膜分離活性汚泥法(MBR)は、活性汚泥法で最終沈殿池が担ってきた重力沈降による固液分離を、分離膜で行う方法です。有機物の分解や硝化などは、これまでどおり活性汚泥が行います。 ■膜が担うのは分離だけ? 分離膜は細菌をほぼ完全に分離できる一方、溶けている低分子の物質は透過します。つまり、生物処理で分解しきれずに溶けて残った低分子の物質は、膜を通り抜けることになります。膜を通した水の水質は、反応槽の微生物の働きに左右されます。 ■沈みにくい汚泥でも分けられる! 重力で沈める必要がないため、沈みにくい汚泥でも分けられ、反応槽の汚泥濃度を高めて、短い時間で処理できます。最終沈殿池が不要になり、返送汚泥の管理も要りません。 ■どんな膜を使う? 食品排水の処理では、例えば孔径0.4μmの精密ろ過膜(MF膜)が使われ、膜を曝気槽に浸す方式と、槽の外に置いてポンプで送る方式があります。適用できる排水のBOD濃度は、おおよそ3,000mg/L以下です。まずはお気軽にご相談ください。
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基本情報
■目詰まりはなぜ起きる? 膜の表面や流路に物質が付着して積み重なり、水が通りにくくなる現象をファウリングと呼びます。主な原因物質は、無機塩類、コロイド、溶解性有機物質、付着性微生物などで、排水処理では複合的に起きます。通常の水質分析では固形物として量れない物質がゲル状の層をつくることもあり、予測が難しい現象です。 ■洗浄には2つの目的がある 1.ふだんの洗浄:粗い気泡で膜を揺らす空気洗浄や、ろ過の小休止で付着を抑える 2.回復のための洗浄:膜差圧が上がったら薬液で洗う ■薬液の選び方 有機物の付着には次亜塩素酸ナトリウムのような酸化剤が使われます。それで落ちないものには、酸やアルカリが有効な場合があります。 ■冬に差圧が上がるのは目詰まり?! 水温が下がると水の粘性が高まり透過性が落ち、水温1°Cの低下で透過流束が約2%下がります。流量一定で運転すると、低水温期は膜差圧が上がる傾向があります。このため膜の必要面積は、水温の低い時期を基準に決めます。
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■日々の点検では何を見る? 下水道の膜処理では、日常の監視項目として次のような例があります。 1.好気槽:DO、MLSS、ろ紙ろ過量 2.放流水:水温、pH、透視度、簡易水質分析 3.計器:膜差圧、透過水量 膜差圧は、常時監視して薬液洗浄の計画に生かすのが望ましい項目です。 ■汚泥が濃いと酸素が溶けにくい?! 汚泥が高濃度になるにつれて、散気装置の酸素移動効率は下がります。DOの確認と、適切なMLSSの維持が大切です。 ■膜を守る前処理 膜の破損や目詰まりを防ぐため、反応槽に入る水は1mm目程度の微細目スクリーンで前処理する必要があります。 ■消泡剤の種類にも注意! 反応槽の発泡にはアルコール系の消泡剤を使います。シリコーン系は膜の目詰まりを起こすため使いません。消泡剤を選ぶときは、成分の系統を確かめておきましょう。 トリイでは、排水場の点検、DO計のメンテナンス、散気装置の更新、水処理薬品の選定についてご相談をお受けしています。まずはお気軽にご相談ください。
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