【分析事例】極薄SiON膜の組成・膜厚評価
光電子の平均自由行程を用いた膜厚の見積もり
シリコンウエハ上の自然酸化膜・シリコン酸窒化薄膜など、厚さ数nm以下の極薄膜について、サンプル最表面のSi2pスペクトルを測定します。得られたスペクトルの波形解析を行うことにより、各結合状態の存在割合を求め、この結果と光電子の平均自由行程から膜厚を見積もります(式1)。
- 企業:一般財団法人材料科学技術振興財団 MST
- 価格:応相談
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光電子の平均自由行程を用いた膜厚の見積もり
シリコンウエハ上の自然酸化膜・シリコン酸窒化薄膜など、厚さ数nm以下の極薄膜について、サンプル最表面のSi2pスペクトルを測定します。得られたスペクトルの波形解析を行うことにより、各結合状態の存在割合を求め、この結果と光電子の平均自由行程から膜厚を見積もります(式1)。
サンプル冷却により充電後のSi負極の構造を評価可能
Siは高容量負極活物質の候補の一つですが、充放電時の非常に大きな体積変化のためにサイクル劣化が激しいと言われています。今回、充電後のSi負極の状態を確認するために、雰囲気制御環境下で解体して冷却FIB加工を行い、SEMにて断面形状を観察しました。室温で断面観察を行った場合は、膜の収縮・観察面の荒れ・孔発生等の大きなダメージが見られる一方で、冷却しながら観察を行うことでSi負極の変質を抑えて試料本来の形状を評価できました。
結晶方位・面内欠陥分布・表面凹凸・不純物を評価
SiCパワーデバイスは、電力損失を抑え、小型で大電力を扱える電力変換素子として期待されています。 デバイスを製造する上で必要になるSiC基板の品質評価が課題になっています。SiC基板を結晶方位、面内欠陥分布、表面凹凸および不純物についての評価し、数値化・可視化する方法を提案いたします。 測定法:XRD・AFM・PL・SIMS 製品分野:パワーデバイス・照明 分析目的:微量濃度評価・構造評価・形状評価・故障解析・不良解析 詳しくは資料をダウンロード、またはお問い合わせください。
組成・結合状態・構造・密度の評価が可能
CIGS薄膜太陽電池の高効率化において、光吸収層から透明電極までのバンド構造や結晶性の制御のために様々なバッファ層材料が検討されております。 平坦化された基板上に成膜したZn系バッファ層についてX線による各種評価を行った事例を示します。 成膜条件による水準間、成膜後の各種プロセスの水準間での比較が可能です。
TOF-SIMSで金属界面の有機物を深さ方向に評価できます
金属界面の有機物は密着不良や剥がれの原因となります。その密着不良の分析には、物理的に剥離加工を行い、剥離した面について定性分析を行うことが有効です。(参照:分析事例C0198)。一方、剥離加工ができない場合も多く、その場合にはスパッタイオン源を用いて深さ方向に分析をすることが有効です。 本資料では、金属界面における薄膜もしくは二次汚染程度の有機物を深さ方向に定性分析した事例を紹介します。結論としてC系のイオンを確認することで有機物の存在を確認することができました。 また、成分がわかっている標準品と比較することで有機物を同定できる場合もあります。
EBSD:電子後方散乱回折法
TEM(NBD:Nano Beam Diffraction)のような薄片化加工を行うことなく、バルク状態での測定が可能です。 SEM特有の高い空間分解能を持ち、比較的高い歪み感度を持っています。 また、局所的な格子歪みをテンソルデータとして検出できる可能性があります。
急冷凍+SEM観察により、粒子が分散している様子を画像で確認! ★第25回インターフェックスジャパンでデータ展示★
液体に分散させて用いる微粒子の粒径・構造を評価する際、液体を乾燥させて粉体として微粒子を取り出し、電子顕微鏡を用いての測定が一般によく行われています。 しかしながら、乾燥による分散状態の変化や粒子の変形が起こるため、どのように分散しているのかを調べるには不向きな測定法です。 MSTでは、液体試料内で微粒子がどのように分散しているかを直接評価するため、クライオ加工+SEM分析(クライオSEM分析)を行って評価が可能です。
雰囲気制御イオン研磨(IP)加工を用いた断面観察が可能
リチウムイオン二次電池の電極は、容量等電池の性能や信頼性を大きく左右する非常に大きな構成材料です。充放電サイクル試験後の電極材料を雰囲気制御下でイオン研磨(IP)加工を行うことで、大気暴露による劣化を抑えて正確に観察することができます。 今回、充放電後のリチウムイオン二次電池の正極材料に関して、雰囲気制御効果をIP加工後のSEM観察結果を比較することで検証した事例をご紹介します。
ドーパントの活性化率に関する評価が可能
SRA(Spreading Resistance Analysis)はサンプルを斜め研磨し、その研磨面に2探針を接触させ、広がり抵抗を測定する手法です(図1)。 キャリア濃度分布を評価することで、ドーパントの活性化状況についての知見を得ることが可能です。 一例として、パッケージ開封後のダイオードチップ表面中央部と外周部(図2)についてSRAを行った事例をご紹介します。
UPS:紫外光電子分光法
半導体では、価電子帯立ち上がり位置(VBM)と高束縛エネルギー側の立上り位置(Ek(min))より、イオン化ポテンシャルを求めることが可能です。 表面有機汚染除去程度のArイオンスパッタクリーニング後に測定を行っています。 ■価電子帯立ち上がり位置(VBM)の決定 価電子帯頂点近傍のスペクトルを直線で外挿し、バックグラウンドとの交点を求めます。 ■イオン化ポテンシャルの算出 イオン化ポテンシャル(I.P.)= hν-W hν:照射紫外線のエネルギー(He I線21.22eV) W:スペクトルのエネルギー幅(Ek(min) - VBM)
TOF-SIMSを用いた樹脂表面の劣化による構造解析
ポリカーボネート(PC)は熱可塑性プラスチックの一種であり、優れた透明性・耐衝撃性・耐熱性などの特長があります。加水分解によって劣化が進み原材料のビスフェノールA(BPA)が生成されることが報告されており、特に太陽電池パネルでは、UV(紫外線)照射によって試料表面がどのように変化するかを把握することが重要です。 以下にUV照射によるPC表面の劣化度合いをTOF-SIMSを用いて評価した事例をご紹介します。
XPS:X線光電子分光法
XPS分析ではX線照射により得られた光電子のエネルギーを観測することにより、物質表面の結合状態評価を行います。金属元素が酸化状態にあるかどうかの評価はもちろん、酸化によるエネルギーシフト(ケミカルシフト)が大きい元素では、複数の価数の存在、及び存在割合についての評価も可能となります。以下に、複数価数評価可能な主な金属元素と酸化物を示します。
XAFS:X線吸収微細構造
配向性有機膜である自己組織化単分子膜(SAM膜)は表面の濡れ性や吸着性といった膜の機能・物性が配向性・配向角によって変化します。 放射光を用いたXAFSでは、ピーク強度のX線入射角依存性を解析することで有機膜材料の配向性・配向角の評価を行うことが可能です。
LC/MSによる成分の定性
樹脂製品などの高分子材料には、可塑剤をはじめとする多くの添加剤が使われています。市販のPVC樹脂に含まれる添加剤の定性を行った事例をご紹介します。有機溶媒に浸して溶出した成分をLC/MSを用いて定性しました。その結果、可塑剤としてDEHP(DOP)およびエポキシ化油脂(可塑剤・安定剤)と推定される成分が検出されました。 標準試料を用いることで、検出された各添加剤成分の定量を行うことも可能です。
SIMS:二次イオン質量分析法
SIMSによる半導体素材SiGeの不純物の定量・組成評価では、分析時に下記を考慮する必要があります。 ●Ge濃度に応じた適切な定量補正を行わないと不純物定量値は本来の値に比べて50%以上異なることがある。定量評価を行うためには各組成に応じた標準試料が必要。 ●SiとSiGeではスパッタリングレートが異なる事が知られている。組成が深さごとに異なる試料においては、深さごとにスパッタリングレートが変化する。 MSTでは、標準試料の整備により高精度な組成分析が可能です。また、検量線を用いることでSiGe各組成における不純物分析およびスパッタリングレート補正が可能です。