【分析事例】SIMSによるSiO2中アルカリ金属深さ方向分布評価
試料冷却による高精度なアルカリ金属の分布評価
SiO2中のアルカリ金属の分布を一般的な分析条件で測定すると、測定に起因する電界などの影響により、深さ方向濃度分布に変化が生じることが知られています。 MSTではSIMS測定時に試料を冷却することでアルカリ金属の濃度分布変化を抑制し、より高精度に濃度分布を評価いたします。
- 企業:一般財団法人材料科学技術振興財団 MST
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試料冷却による高精度なアルカリ金属の分布評価
SiO2中のアルカリ金属の分布を一般的な分析条件で測定すると、測定に起因する電界などの影響により、深さ方向濃度分布に変化が生じることが知られています。 MSTではSIMS測定時に試料を冷却することでアルカリ金属の濃度分布変化を抑制し、より高精度に濃度分布を評価いたします。
酸化物デバイスにおける局所元素分布を酸素同位体を用いて高感度に評価
酸化物ReRAMでは、電場印加に伴う酸素拡散がメモリ動作(抵抗変化)と関連しているとされていました。 SIMS分析では同位体を測定可能であるため、同位体18Oイオン注入技術を利用すれば、酸素拡散の追跡が可能となります。18Oを局所的に注入した素子に対し、電場印加により動作領域となるブリッジ構造を形成し、元素マッピングを行った結果、ブリッジ部では18Oの強度が弱く、局所的に還元されていることが分かりました。
膜厚1nm程度のSiON中Nの評価が可能
高感度なSIMS分析が得意とする低濃度領域に至るまで、SiON膜中Nの分布を深さ方向に評価し、N量(単位:atoms/cm2)を高い精度で評価が可能です(図1)。またNをatomic%へ変換(図2)、Nのフィッテングカーブ算出することができ、フィッティングによりNのピーク濃度・深さ・半値幅を算出(図3)することが可能です。
SSDP-SIMSによる測定面の凹凸・高濃度層の影響を避けた測定
基板側からSIMS分析(SSDP-SIMS)を行うことで、表面の凹凸・スパッタに伴う表面側高濃度層からのノックオンの影響を受けない測定が可能です。ゲート電極(BドープPoly-Si)から基板へのボロンの突き抜け量を評価しました。基板側からの測定ではノックオンなどの影響が見られず、より正確な突き抜け量評価が可能であることがわかります。このように、バリアメタルのバリア性・Low-k膜中への金属の入り込み・凹凸のあるシリサイド直下の評価にSSDP-SIMSが有効です。
SIMS:二次イオン質量分析法
■極浅深さ方向分布の測定法 (1)斜入射法における深さ方向分解能の限界 斜入射法における深さ方向分解能の一次イオンエネルギー依存性をδドープ試料を用いて調査しました(図1)。斜入射法においては、クレータ底面の粗れにより深さ方向分解能の向上に限界があることがわかります(図2)。 (2)垂直入射法による深さ方向分解能の向上 垂直及び斜入射法におけるBピーク(δドープ試料)の半値幅と一次イオンエネルギーの関係を図3に示します。斜入射法では分解能の向上に限界のあった一次イオンエネルギー1keV以下の領域において、垂直入射法では分解能の向上が達成されています。
「重水(D2O)処理」を用いた水素の深さ方向分析
厚み1um以下の薄膜における水(H2O)の浸透性を、膜中の重水素(D)の分布を測定することで評価した事例をご紹介します。薄膜中にもともと水素(H)が存在する場合、水の影響による水素であるかを区別することが困難です。そこで、重水(D2O)による処理を行い、天然同位体である重水素の分布をSIMS※1にて深さ方向に測定しました。重水素の深さ方向分布を調べることで、水がどの深さまで浸透したかを推定することが可能です。
対象元素に応じて測定条件を選択
フレキシブル薄膜Si太陽電池において、a-Si(アモルファスシリコン)中のドーパントの濃度分布を定量的に評価した事例をご紹介します。樹脂で封止されたサンプルを解体し、SIMS分析を行いました。 Bの分析(図3)では表面側の浅い箇所に存在するため、深さ方向分解能を高めて測定を行いました。 Pの分析(図4)ではa-Si中に多量のHが存在して質量干渉を起こすため、高質量分解能法によりH+Siを分離してPのみを検出する条件で測定を行いました。
ppmレベルの添加物の分布を高感度に評価可能
携帯端末などの電子機器に用いられる鉛フリーはんだの接合部には高い耐衝撃性が求められています。 この課題を解決するため、Niなどの元素を微量に添加したはんだ合金が開発されています。本資料ではSn-Ag-Cu系の鉛フリーはんだに、微量のNi、Geが添加された5元系はんだと、添加物無の3元系はんだについて、高感度分析を得意とするD-SIMSのイメージングにより面内分布を比較した事例をご紹介します。
化合物半導体の主成分元素の組成を深さ方向に評価可能
一般的にSIMSでは含有量が%を超える主成分レベルの元素の定量性は低いとされていますが、一次イオンにCs+を用いたMCs+(M:着目元素)検出モードを用いることで、主成分元素の深さ方向の組成分布を求めることが可能です。 AlGaAs中のAl、Gaについて、深さ方向の組成評価を行った例を示します。
TOF-SIMS:飛行時間型二次イオン質量分析法
TOF-SIMSの深さ方向分析では平面上の位置情報(x、y)を無視すると、各深さ(z)で質量スペクトルが存在するため、深さ・質量・スペクトル強度の3次元データが得られます。この3次元データを1枚の画像として可視化したものが、MSDM(Mass Spectra Depth Mapping)表示です。
ppb~pptレベルのバルク濃度を評価します
変電所などで使用可能な超高耐圧・低損失SiCパワーデバイスの開発においては低キャリア濃度の制御が必要となり、SIMS分析で極低濃度の不純物評価を行うことが有効です。 SIMS分析では多元素を同時に取得せず、不純物を1元素に限定することで極低濃度を評価することが可能です。本資料ではSiC中の不純物について従来では評価が困難であった極低濃度領域を超高感度に評価した分析事例をご紹介します。
SIMS:二次イオン質量分析法
異種材料間の界面のSIMS分析プロファイルは、深さ方向にある幅をもって変化します。これはSIMS分析の特性上、イオンビームミキシングとスパッタ表面の凹凸(ラフネス)の影響を受けるためです。検出している不純 物は、混ぜ合わされた深さまでの平均化した情報となり、深さ方向に幅を持った領域のイオンを検出します。 そのため、界面位置は一般に主成分元素のイオン強度が50%になる位置と定義しています。
二次イオンを検出し、各質量における検出量を測定することで、試料中に含まれる成分の定性・定量を行う手法です
イオンを試料表面に入射させると、試料表面からは電子・中性粒子・イオンなど様々な粒子が放出されます。SIMSは、これらの粒子のうちイオンを検出し、各質量における検出量を測定することで、試料中に含まれる成分の定性・定量を行う手法です。 ・高感度(ppb~ppm) ・HからUまでの全元素の分析が可能 ・検出濃度範囲が広い(主成分元素から極微量不純物まで) ・標準試料を用いて定量分析が可能 ・深さ方向分析が可能 ・数~数十nmの深さ方向分解能での評価が可能 ・数μm角までの微小領域の測定が可能 ・同位体分析が可能 ・破壊分析
試料表面の構造解析を行う手法です。他の分析装置に比べ表面に敏感であることから、最表面の有機汚染の同定などに適した手法です
試料表面の構造解析を行う手法です。他の分析装置に比べ表面に敏感であることから、最表面の有機汚染の同定などに適した手法です。 スパッタイオン源を用いて、深さ方向に無機・有機物の分布分析が可能です。 ・有機・無機化合物の構造解析・同定が可能 ・異物検査装置の座標データとリンケージが可能 ・ミクロンオーダーの微小異物から数cmまでの定性が可能 ・最表面を感度よく分析することが可能 ・イメージ分析が可能 ・深さ方向分析の定性分析が可能
試料冷却による高精度なBのプロファイル分析
デバイスの設計の上で特性に大きく影響を与えるSi中Bの濃度分布は、SIMS分析により高感度・高深さ方向分解能での評価が可能です。しかし、一般的な分析条件では、測定起因によりBの濃度分布に歪みが生じることがわかりました。 MSTでは試料冷却がこの歪み補正に有効であることを確認し、より高精度な濃度分布の評価が可能になりました。