ニッケルフリー高窒素オーステナイトステンレス
ZAPP社(ドイツ)の高窒素ステンレスシリーズにおける最新開発製品「Ergste9.9007CN」
当鋼種は開発段階から、生体親和性を高めるためニッケルの除外を目標としてきました。 融解には厳選した高純度の原材料を使用。 その結果ニッケル含有量は0.05%以下となり、マイクロスラグ含有レベルは非常に低い値となっています。 また、再溶融のため加圧エレクトロスラグ再溶融(P-ESR)を行っています。 従来までニッケルフリーの高窒素ステンレスの化学組成は、高いレベルで窒素1%及びマンガン20%を含んでいました。 窒素の溶解度は限られているため、窒素含有量が高いほど窒化クロムの析出物を形成する傾向があります。 マンガンは固溶体中に窒素を保持しなければならず耐食性も損ないます。 そして、機械加工性は窒素含有量が増加するにつれてより困難になります。 これら解決策は、窒素を炭素に置き換えることでした。 伝統的な冶金では従来のオーステナイトにおいて、高い炭素含有量は不利に働きます。 しかし、それが窒素・炭素と組み合わせて使用される場合、過剰な窒素の使用が引き起こす問題を解決します。 ZAPPでは当鋼種の開発にあたり、慎重かつ周到な分析をしてバランスの取れた組成設計を行い、その製品化を実現しました。
- 企業:株式会社ジャイカム・パシフィック
- 価格:応相談