【耐食性の向上に】ダブルめっき
硬質クロムめっきの多層化により、マイクロクラックの貫通を減らすことで耐食性が向上します。コストを抑えたい際に有効です。
硬質クロムめっきは耐摩耗性に優れているだけでなく、鉄の表面を錆から守る目的でも施工する場合がありますが、耐食性は完璧なものではありません。 これは硬質クロムめっき表面にマイクロクラックという目視では見えない微細なひび割れがあるためです。このマイクロクラックの中には表面から母材にまで貫通したものも存在します。そのため、湿気が多く結露しやすい環境や腐食性の強いガスが出る環境にさらされていると硬質クロムめっきは腐食しませんが、クラックを通じて腐食因子が母材に到達し、母材自体に腐食がはじまると最終的にめっきが母材から剥離するような現象がおきます。 このような理由から使用環境により防錆目的でのクロムめっきを諦めてしまうケースがあるのですが、実は耐食性を上げる方法があります。 それは硬質クロムの層を多層化する方法です。クロムめっき仕上げ後に再度めっきを行うことで母材まで貫通したマイクロクラックの数を減らすことができるため、耐食性が向上します。 耐食性を上げる方法としてニッケルめっきもありますが、オゾンのようなニッケルを腐食させる環境では向いていないため、対策としてクロムめっきを多層化させる技術が採用されています。
- 企業:オテック株式会社
- 価格:応相談