3DレーザスキャナとX線CT装置のスキャン精度の比較についてご紹介します。
リバースエンジニアリングを行う際にはサンプルの形状の点群データを取得する必要がありますが、そのデータ取得のメジャーな方法として3DレーザスキャナとX線CT装置があります。それぞれ長所と短所がありますが、どちらのスキャンの方法が精度が良い(=形状の再現性が高い)のでしょうか? 今回は三次元測定機で測定した寸法をベースとして、3DレーザスキャナとX線CT装置のスキャンデータがどれぐらいの誤差や歪みを持っているのかを検証します。 作業手順は下記の通りです。 【手順1】 3Dレーザスキャナを用いてサンプルの形状の点群データを取得。 【手順2】 X線CT装置を用いてサンプルの形状の点群データを取得。 【手順3】 三次元測定機による寸法測定を実施。 【手順4】 手順1と手順2の点群データから寸法データを拾い出し、手順3の寸法データとの比較を実施。
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基本情報
三次元測定機・3Dレーザスキャナ・X線CT装置のそれぞれのデータから算出した寸法結果を比較したところ、三次元測定機の測定値により近いのは3Dレーザスキャナのスキャンデータから算出した測定値であることが分かりました。角度のズレが少し大きくなりましたが、長さはおおむね±0.01mm以内の誤差におさまりました。 X線CT装置は3Dレーザスキャナよりも全体的に悪い結果となりましたが、大きな歪みも無く、リバースエンジニアリングのデータとして申し分ないレベルにあるかと思います。 今回の検証で良い結果が出た3Dレーザスキャナも、光沢のあるサンプルや内部の形状、奥まった箇所、ピン角になった箇所等を苦手としています。一方、X線CT装置は外部だけでなく内部の形状データも同時に取得することができますが、樹脂+金属のような複合材料サンプルではノイズの影響で形状データを正確に取得できないこともあります。 このように、形状データを取得する方法に万能なものはありませんので、リバースエンジニアリングの対象となるサンプルの材質や形状、要求精度、データの利用方法等によって適宜選択する必要があります。
価格帯
納期
※内容・数量によって納期が変動しますので、お気軽にお問い合わせください。
用途/実績例
使用設備・ソフトウェアは下記の通りです。 ■3Dレーザスキャナ(ニコン製:MMDx50) ■X線CT装置(ニコン製:XT H 225 ST) ■CNC三次元測定機 (ミツトヨ製:CRYSTA Apex S9168) ■リバースエンジニアリング用3Dモデリングソフト(3D Systems社製:Geomagic Design X) ■3DCADソフト(Dassault Systèmes社製:SOLIDWORKS)
企業情報
ものづくりの開発・製造工程におけるデジタル化を支援するため、「リバースエンジニアリング」⇒「試作・加工」⇒「評価・実験」の一連の技術サービスをワンストップで提供します。 3Dスキャン、リバースエンジニアリング、3Dプリンティング、樹脂成形等の新しい加工技術や生産技術を実際の現場で導入するためには、膨大な検証と評価が必要となります。 そうした工程を当社にアウトソーシングしていただくことで、お客様の経営資源のより有効的な活用につながるものと考えております。 20年間にわたるものづくりの開発支援・受託評価サービスで培った技術をコアとした、ものづくりの開発・設計・試作・評価工程の技術支援サービスをご活用ください。