湿度を制御しながら“その場”で観察 ― 安定性と転移挙動をラマンで解析
調湿制御装置は,試料を非接触で観察できるプローブ型ラマンと組み合わせることで,温湿度変化に伴う結晶転移や吸湿挙動をリアルタイムで評価できます.原薬の安定性評価,包装材の影響解析,保存条件の最適化などに応用可能で,非破壊での“環境再現型”測定を実現します.
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基本情報
本システムは,恒温・恒湿環境を精密に制御できる中空糸膜式調湿チャンバーと,非接触測定が可能なプローブ型ラマン分光装置を組み合わせた「環境制御型ラマン測定ユニット」です. チャンバー内部では,加湿・除湿エアの流量と温湿度をPID制御によりリアルタイムで調整し,湿度センサーによって安定した環境を維持します.プローブはチャンバー上部から試料へ直接照射され,気流や水分の影響を受けずに安定したスペクトル取得が可能です. この構成により, ・結晶性医薬品や食品粉末の吸湿挙動解析 ・包装材内の湿度応答性評価 ・結晶転移点・安定性限界の可視化 など,従来困難だった“動的環境下”での分子構造変化の追跡が実現します.
価格帯
納期
~ 1ヶ月
用途/実績例
固体製剤として経口投与される有効成分の結晶形変えることによって溶解度が改善されバイオアベイラビリティの向上や保存条件が変わるなど,医薬品の多形および水和物,無水物などの擬似多形は製剤において医薬品の品質に大きく影響を与えることが知られている.また,安定性試験ガイドラインには温度、湿度、光等の様々な環境要因の影響下で製剤の有効期間及び医薬品の貯蔵条件を決定するための安定性試験は医薬品承認申請に必要な試験であると記載されている. そこで,非接触の測定が可能で粉末X線回折と同様に結晶多形の識別に使われているラマン分光法を使って,環境要因の1つである「湿度」に着目し,モデル製剤のカフェインの調湿条件下で水和物から無水物への結晶転移をラマンスペクトルで分析・評価を行い,ラマン分光法が調湿条件下で原薬の結晶形の観察に有効であることを示した.
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企業情報
株式会社テックアナリシスは,大阪府寝屋川市に拠点を置く,分析機器の輸入販売およびコンサルティングを行う企業です. ラマン分光法を中心とした先端分析技術を通じて,製薬・化学・食品・半導体など多様な分野において、お客様の研究開発および品質保証を支援してまいりました.また、機器の販売にとどまらず,測定条件の最適化,データ解析,規制対応など,現場に即した実践的なソリューションを提供しています. 長年にわたる実務経験と薬学博士としての専門知識を基盤に,精度の高い測定と,未来を見据えた技術支援をお届けし,科学的根拠に基づいた提案を通じて,皆さまの挑戦を支える信頼のパートナーであり続けます.











