ステンレスが本来持つ耐食性を引き出す「不動態化処理」
製造されたステンレス製品の表面にある不動態皮膜は、 加工過程で発生する様々な原因によって不完全な状態にあります。 この状態は不動態皮膜の破壊などを引き起こしやすく、 錆の発生に繋がります。 不動態化処理とは、この不完全な不動態皮膜を本来の状態に戻し、 さらにクロムに富んだ状態へ強化する表面処理であり、 その目的は耐食性の向上(錆びないようにするため)です。 【 不動態化処理の特徴 】 ◆ 外観の変化がない ◆ 寸法の変化がない ◆ 硬度の変化がない ◆ さまざまなステンレス素材に対応する ◇◇詳細はお気軽にお問い合わせください◇◇
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基本情報
最も重要な耐食性は、その素材や加工歴で変わります。使用環境に対して 不動態化処理が有効な処理かどうかの確認が必要となります。 不動態化処理は単独で行うことも可能ですが、問題解決(ヤケが取れにくい、 既に錆びてしまっているなど)や、グレードアップ(更に耐食性を高めたい、 光沢が欲しいなど)する場合には酸洗や電解研磨と組み合わせて 処理をします。最適な処理をご提案いたしますのでご相談ください。 【 適応材質 】 ・SUS304、SUS316、SUS201、SUS301等オーステナイト系ステンレス全般 ・SUS430、SUS405、SUS429等フェライト系ステンレス全般 ・SUS420、SUS440等マルテンサイト系ステンレス全般※ ・SUS329等二相系ステンレス全般 ・SUS630等析出硬化系ステンレス全般※ ※は熱処理の状況などにより十分な耐食性が得られない場合があります ◇◇詳細はお気軽にお問い合わせください◇◇
価格帯
納期
用途/実績例
【処理品例】 海岸地域でのアンテナステー/食品容器継手/ステンレス配管部品/サニタリー配管類/工業用ステンレス薬品槽/工業用ハウジング など ◇◇詳細はお気軽にお問い合わせください◇◇
詳細情報
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【表面処理事例】サニタリー配管の不動態化処理 内外面とも鏡面にバフ仕上げしてありますが、用途によっては より高い耐食性を得るために、不動態化処理で最終仕上げをする ケースがあります。 [ 仕様 ] 材質:SUS316L サイズ:約250×80(最大幅) [ 処理目的 ] SUS316L材であっても、念を入れて耐食性を確保するため [ 結果 ] 不動態化処理は、「処理後も外観の変化がない」という特徴があるため、 鏡面に仕上げた肌を損なうことなく耐食性をアップさせることができました。
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【表面処理事例】工業用パンチングバスケットの酸洗+不動態化処理 工業用装置で使用されるパンチング容器に酸洗と不動態化処理を 施した処理事例です。 [ 仕様 ] 材質:SUS304 サイズ:約φ550×400H 重量:約15kg [ 処理目的 ] ・溶接スケールが残っているとその部分から錆びが発生しやすく、 加工によって汚れもある ・溶接スケールの除去 ・酸洗による汚れの除去および美観の向上 [ 結果 ] 酸洗+不動態化処理を行うことによって、溶接箇所の酸化スケールが 除去され、腐食や錆び発生のリスクも低くなりました。 外観的にもステンレスらしいきれいな金属感を取り戻しています。 弊社では、薬品残渣を極力抑えるよう工夫した後処理と 酸洗ノウハウにより、美観の優れた仕上げを実現します。
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【表面処理事例】海岸地域で使用されるアンテナステーの不動態化処理 写真のアンテナステーは、「隙間や溶接の部分から錆びが出てきて 長く持たず、頻繁に交換している。シミが発生しているため、 これが良くないのかもしれない」という問題を抱えていました。 そこで弊社は、確かにシミも問題だがもっと長く持つように するためには他の耐食処理も必要と考え、再酸洗でシミを取り、 電解研磨+不動態化処理をご提案しました。 まず、再酸洗でシミ、スケール残りを綺麗にし、更に電解研磨をします。 そして、最後に不動態化処理を行いました。 結果、シミやスケール残りのない仕上がりとなり、 今までなら錆びて交換しなければならない時期が来ても 錆びることはなくしっかりとしているそうです。
企業情報
弊社では金属ハウスウェア製品から半導体製造装置関連部品まで、60余年培ってきた表面処理技術にISO14001およびISO9001の哲学を取り入れ、徹底した品質管理と技術開発により、時代に合った表面処理加工を行っています。弊社の電解複合研磨は、日本原子力研究開発機構(JAEA)と、高エネルギー加速器研究機構(KEK)が共同で建設しました大強度陽子加速器施設「J-PARC」の完成へ貢献したとして、感謝状が贈られるなど高い評価を得ています。 電解研磨、電解複合研磨、ステンレスやチタンの発色、酸洗など各金属素材の良さを最大限に引き出すさまざまな表面処理を行っており、近年ではマグネシウムやアルミ、チタン等の表面処理加工も手がけております。金属加工で全国的に知られる新潟県燕三条地域で培ってきた、表面処理専門業のノウハウにより、皆様の問題解決のお手伝いをいたします。