キーワード: 原子核 放射性物質 加速器 核データ 放射線治療 放射線診断
原子核は原子の中心にあり、多数の中性子と陽子で構成されています。構成粒子と核全体の動きが干渉し、多様な性質をみせます。核分裂やガンマ線を放出する崩壊などは原子核の個性からくるものです。 ウランなどの重い核の分裂現象は多くのエネルギーが解放される為、発電に応用されます。医療分野では放射線が利用されており、癌の治療や診断に用いられる医療用放射性物質(RI)は国内で加速器を用いて生成されます。診断によく用いられる99Mo は原子炉で生成され短寿命(66h)であり、海外から空輸しますが、災害などで供給が止まる懸念が常にあります。 医療用RI の国内供給ラインを確保する上で、代替となるRIの効率的かつ純粋に生成する方法を確立しなければなりません。理化学研究所の線形加速器を用いて、新しい医療用RIの実用的で生成効率が良い入射エネルギーを調べています。放射化法と積層箔法を用いて、生成断面積のエネルギー依存性を一度に調べられます。
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基本情報
江幡 修一郎(エバタ シュウイチロウ) 助教 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ●微視的平均場模型による核分裂片の荷電偏極分布の計算 ●光核反応による核構造の理論的研究 ●洋ナシ変形する原子核の構造
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用途/実績例
【産業界へのアピールポイント】 ●治療と診断の両方に応用可能な新しい医療用RI の探索 ●医療用RI の効果的な生成方法の探索 ●世界で医療用RI の核データを取得するグループは少数 ●特許「放射性イットリウムの生成方法及び放射性医薬」 特開 2017-090366 【実用化例・応用事例・活用例】 ● PET 検査用の代替RI 候補であるネオジム-140 の生成断面積をプラセオジム-141 に重水素を入射する方法で取得した ●取得データはIAEA のデータベースに採録され、国際的な原子力の開発基盤になる
詳細情報
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理化学研究所の線形加速器に設置した標的ホルダー
企業情報
埼玉大学オープンイノベーションセンターは、産学官連携における リエゾンオフィスとしての機能を持ったセンターです。 産学官連携部門、知的財産部門、スタートアップ支援部門の3部門からなり、それぞれの 部門には、各種分野に精通したコーディネータを配置。 センターの活動としては、企業等における技術的課題の解決、 共同研究実施支援、埼玉大学の知的財産の紹介・活用に向けた 技術移転等を行っております。