キーワード: 地震 地震対策 美術品 文化財 免震
2024 年能登半島地震が発生し、多くの人命とともに、幾多の美術品や文化財が失われました。すでに作者が亡くなっている作品も多く、作り直しや完全な修復が難しい状況です。美術館や博物館の地震被害を軽減する対策として、テグスでの固定や免震装置がありますが、選択肢はあまり多くありません。 この研究では、文化財や美術品を地震から守るための新しい対策を検討しています。近年発表した「AL(Ant Lion:アリジゴク)免震」は、昆虫(アリジゴク)の捕食形態を参考に考案した地震対策です。この装置は、地震発生直後に緊急地震速報を受信すると、地震波が到達する前に、床がアリジゴクの巣のように美術品を引き込み、美術品を保護する仕組みです。生態系で観察される捕食形態や営巣構造などからヒントを得る「バイオミメティクス」を活用することで、これまでにない地震対策法を提案し、社会実装します。
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基本情報
齊藤 正人(サイトウ マサト) 教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域 【最近の研究テーマ】 ●長周期地震動にも強い、免震システムの開発 ●デジタルツインを利活用した火災などの災害地点の特定技術の研究開発 ●逃げ地図ワークショップなどで活用できる最短経路やコスト経路の地図化技術 ●開発技術の未来を見通す、免震・制振デバイスの限界最適性能の探索技術の開発
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用途/実績例
【産業界へのアピールポイント】 ● AL 免震の機構について特許第7445231 号を取得済み ●アリジゴクの他にも、バイオミメティクスの可能性は無限! ●地震が来る前の数秒間でできることをイメージして、それを装置化しましょう 【実用化例・応用事例・活用例】 ●美術品の保護(令和6 年3 月より埼玉県立近代美術館で試験的に設置(期間限定)) ●文化財の保護 ●上記以外の身近な大切なものの保護
詳細情報
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AL免震の状態その1:美術品を展示している様子
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AL免震の状態その2:美術品を保護している様子
企業情報
埼玉大学オープンイノベーションセンターは、産学官連携における リエゾンオフィスとしての機能を持ったセンターです。 産学官連携部門、知的財産部門、スタートアップ支援部門の3部門からなり、それぞれの 部門には、各種分野に精通したコーディネータを配置。 センターの活動としては、企業等における技術的課題の解決、 共同研究実施支援、埼玉大学の知的財産の紹介・活用に向けた 技術移転等を行っております。