キーワード: 都市空間 歌舞伎劇場 商業圏 公共圏 日記研究
松竹株式会社からはじめ、日本のエンタメ業界は日本の社会を支える重要な組織である。その根元は近世期の歌舞伎劇場にまつわる商業圏にあると考えられる。近世期の日本の封建社会の中で、歌舞伎劇場はよく権力者と対立する立場にいたにもかかわらず、歌舞伎劇場は江戸の町から消えたことはなかった。その原因は一方、地主や芝居茶屋など関連行者は劇場に集まる観客から利益を得て、劇場は多くの人々の生活を支える、独立した商業圏の要となっていたからである。 本研究の一つも目的は劇場をまつわる商業圏の働き方を明らかにすることだ。しかし、もう一方、歌舞伎劇場は封建社会の中で、身分を問わず、誰もが入場券を購入できる空間であったため、貴族や武士から町人の娘らまでは同じ屋根の下で同じ舞台を鑑賞していたので、身分を超えた共通認識が生まれたから、歌舞伎劇場は江戸の町に不可欠な存在となっていた。 本研究は、18 世紀の前半に歌舞伎業界における大きな業績を残した二代目市川團十郎や歌舞伎の常連だった大和郡山藩藩主柳沢信鴻の日記から、歌舞伎劇場に、具体的にどのような人々は集まったのか、そして、彼らの関係を明らかにすることを目的とする。
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BJOERK TOVE JOHANNA(ビュールク トーヴェ ヨハンナ) 教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ●歌舞伎と女性:劇場のオーナー(座元)にも女性がいたのに、歌舞伎の歴史には登場しないのはなぜ? ●江戸の芝居茶屋のマーケチング戦略:芝居茶屋はいかに大名屋敷に宣伝物から季節の贈り物を提供することで、パトロンとの関係を養っていたか? ● 20 世紀の文人の旅日記から読み取れる近代の芸能界
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【産業界へのアピールポイント】 ●エンタメ業界への歴史的理解が得れる 【実用化例・応用事例・活用例】 ●『二代目市川團十郎の日記にみる享保期江戸歌舞伎』(文学通信,2019 年) ●十三代目市川團十郎襲名特集テレビ番組「Danjuro - A Star for Three Centuries」にて解説者 として出演(NHK World, Kabuki Kool シーリース2022) ● National Geographic 誌『Kabuki and Noh are evolving with times』出演(2023) ●テレビ番組「大江戸ルネサンスサミット2025」にて討論者として出演(NHKBS プレミアム2025 年正月放送)
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中村座の前
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埼玉大学オープンイノベーションセンターは、産学官連携における リエゾンオフィスとしての機能を持ったセンターです。 産学官連携部門、知的財産部門、スタートアップ支援部門の3部門からなり、それぞれの 部門には、各種分野に精通したコーディネータを配置。 センターの活動としては、企業等における技術的課題の解決、 共同研究実施支援、埼玉大学の知的財産の紹介・活用に向けた 技術移転等を行っております。