キーワード: 典型元素化学 有機金属化学 元素特性 精密重合反応 遷移金属フリー触媒 二酸化炭素の化学変換
従来には存在しない「新しい化学種」の創成は、新しい結合、構造、反応性といった性質を同時に解明し、それらが付与する新たな反応性も明らかにすることができます。特に、典型元素と遷移金属元素を組み合わせた複合化合物は、元素間に特異な「元素特性」を生み出し、高活性触媒や高反応性化学種の創成を可能とします。 そのような「元素特性」の例として、(1)精密オレフィン重合触媒の開発、と(2)高周期14 族元素低配位化合物(テトリレン)の合成、に取り組んできました。 (1)では、従来触媒を凌ぐ高い活性を実現し、立体構造が制御されたポリオレフィンの生成に成功しました。 (2)では、合成したテトリレン類は、遷移金属に対して独特の配位挙動を示し、さらに稀少な遷移金属触媒の代替としても利用できることを見出しました。 現在は、テトリレンを用いた二酸化炭素の有用化成品への変換反応を可能とする触媒の開発に挑戦しています。
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基本情報
中田 憲男(ナカタ ノリオ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ●砂から触媒を創る!→地殻に豊富に含まれるケイ素やアルミニウムの低配位化学種を系統的に合成し、それらの新しい触媒機能を探求しています。 ●二酸化酸素のイメージを覆す!→無尽蔵のC1 源である二酸化炭素を有効活用し、遷移金属を使わない革新的な触媒システムの構築を目指しています。
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用途/実績例
【産業界へのアピールポイント】 ●周期表全体の多様な元素の取り扱いに精通し、配位子設計から錯体合成、さらには触媒機能の探 索までを一貫して遂行できます。 ●「元素特性」を活用し、貴金属代替、二酸化炭素の有効活用、PFAS 代替材の開発など、持続可 能な社会の構築に向けた取り組みで貢献できます。 【実用化例・応用事例・活用例】 ●立体特異的ポリオレフィンの合成を指向した均一系触媒の開発 ●ジェット燃料や潤滑油の前駆体となるオレフィンダイマーの高効率合成 ●高周期14 族元素を含む二重結合化合物の合成と性質の解明 ●低触媒量のケイ素-白金錯体によるアルケンのヒドロシリル化反応
詳細情報
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高周期14族元素低配位化合物の合成と性質
企業情報
埼玉大学オープンイノベーションセンターは、産学官連携における リエゾンオフィスとしての機能を持ったセンターです。 産学官連携部門、知的財産部門、スタートアップ支援部門の3部門からなり、それぞれの 部門には、各種分野に精通したコーディネータを配置。 センターの活動としては、企業等における技術的課題の解決、 共同研究実施支援、埼玉大学の知的財産の紹介・活用に向けた 技術移転等を行っております。