キーワード: 植物 環境ストレス 凍結傷害 凍結耐性 低温馴化 可溶性糖 細胞壁 多糖類
植物は一度根を張ると動くことができないため、周りの環境が変わると、その影響を「ストレス」として直接受けます。そのため、植物はそれぞれの生息する場所で、寒さや乾燥など、いろいろな悪い環境に対応できるように進化してきました。 特に「凍結ストレス」と呼ばれる寒さによるダメージは、環境ストレスの中でも非常に厳しく複雑なもので、温暖化が進んでいる今でも、農業においては大きな問題です。そこで、一部の植物は寒さを感じ取って、寒さに強くなる「低温馴化(ていおんじゅんか)」という仕組みを持っています。これは「冬支度」のようなもので、この過程では、植物内の可溶性糖や細胞壁の多糖類が増え、活性酸素(ROS)の消去系の発現などの変化が起こります。これによって、農作物の価値が上がることもあります。 私は、糖をキーワードとしてこの低温馴化のメカニズムを研究することで、農業における凍結による被害を減らし、農作物の付加価値の定量や向上を目指しています。
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基本情報
高橋 大輔(タカハシ ダイスケ) 助教 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ●凍結耐性を失う「脱馴化」機構の研究 ●ストレスと適応機構による植物の形態的変化の研究 ●復活植物イワヒバの超乾燥耐性機構の研究
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用途/実績例
【産業界へのアピールポイント】 ●凍結ストレス以外にも、植物の様々な環境ストレスの耐性評価を行うことができます。 ●農作物の付加価値として重要な単糖や多糖の定量のほか、多糖の組織分布解析などができます。 ●環境ストレス耐性とバイオマスのトレードオフ関係にも着目しています。
詳細情報
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低温馴化に伴う多くの生理反応は、農作物の付加価値向上にも密接に関わります。
企業情報
埼玉大学オープンイノベーションセンターは、産学官連携における リエゾンオフィスとしての機能を持ったセンターです。 産学官連携部門、知的財産部門、スタートアップ支援部門の3部門からなり、それぞれの 部門には、各種分野に精通したコーディネータを配置。 センターの活動としては、企業等における技術的課題の解決、 共同研究実施支援、埼玉大学の知的財産の紹介・活用に向けた 技術移転等を行っております。