キーワード: 光合成 シアノバクテリア 代謝改変 転写因子 バイオ燃料生産 藍藻
光合成は光エネルギーを用いて二酸化炭素を固定し、糖を作り出す反応ですが、光強度、温度、栄養条件など環境条件の変化の影響を強く受けます。光合成生物はこれらの環境変動に対して、自らの体を作りかえることで光合成反応を最適化すると共に、環境ストレスによるダメージを回避しています。 私たちは、植物と同じ酸素発生型の光合成を行う細菌であるシアノバクテリアが、環境条件の変化をどのように感じ取り、それをどのように細胞内に伝えて、遺伝子発現やタンパク質の活性を調節し、光合成系の環境応答を実現しているのか、分子レベルでのメカニズム解明を目指しています。これまでに光合成や炭素代謝の調節に関わる多くの因子を同定しており、これらの因子を遺伝子レベルで改変することにより、シアノバクテリアを用いた有用物質生産等の、応用面への展開を目指しています。
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基本情報
日原 由香子(ヒハラ ユカコ) 教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ●様々な自然環境下で光合成を行うことを可能とする新規環境応答機構の発見 ●シアノバクテリアが生産する新規中性脂質とその合成酵素の発見と機能解明 ●シアノバクテリアの紫外線耐性機構の解明 ●シアノバクテリアの光合成と炭素代謝を協調的に制御する調節系の機能解明
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用途/実績例
【産業界へのアピールポイント】 ●シアノバクテリアの転写因子を欠損させることで、バイオ燃料の生産性を向上させる技術に関し て、花王株式会社との共同研究により特許を取得しています。 ●「改変シアノバクテリア」 特許第6341676 号(登録日2018 年5 月25 日) ●「改変シアノバクテリア」 特許第6663856 号(登録日2020 年2 月19 日) ●日原由香子(2021)「シアノバクテリアの転写因子と物質生産」 生物工学会誌 99:416-420 【実用化例・応用事例・活用例】 ●シアノバクテリアの炭素・窒素代謝のマスター転写因子であるcyAbrB2 の欠損により脂質の生産性を向上させた(特許第6341676 号) ●シアノバクテリアの脂肪酸生合成遺伝子群の発現制御に関わる転写因子の同定に成功し、その転写因子LexA の欠損により脂質の生産性を向上させた(特許第6663856 号) ●シアノバクテリアの新規アシル基転移酵素の有用物質生産への利用
詳細情報
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脂肪酸を培地中に放出する代謝改変を施したシアノバクテリア株の培養の様子
企業情報
埼玉大学オープンイノベーションセンターは、産学官連携における リエゾンオフィスとしての機能を持ったセンターです。 産学官連携部門、知的財産部門、スタートアップ支援部門の3部門からなり、それぞれの 部門には、各種分野に精通したコーディネータを配置。 センターの活動としては、企業等における技術的課題の解決、 共同研究実施支援、埼玉大学の知的財産の紹介・活用に向けた 技術移転等を行っております。