キーワード: 試験管内タンパク質合成 酵素 膜受容体 膜輸送体 転写因子 タンパク質工学 生体分子工学
生体内のタンパク質の多くは、高性能なナノマシンとして機能するために正確な構造をとる必要があります。試験管内タンパク質合成系は、高性能なタンパク質を作るための非常に優れた技術です。例えば動物のタンパク質については殺生せずに試験管内で作れます。直接取り扱うと危険な感染症微生物やウイルスの場合にも、DNA 配列情報さえあれば安全な環境下で目的とするタンパク質を作ることができます。 現在は、機能を調べることが困難とされる膜タンパク質や酵素タンパク質に焦点を絞って研究をしています。膜タンパク質は薬の標的になるものも多く医薬・農薬の研究に重要です。また、膜輸送体として栄養分や代謝物の細胞への出し入れをコントロールする重要な働きをするものも多く、これらの働きの解明は学問的にも大きな意義があります。 酵素タンパク質は自然界に存在する化合物を常温・常圧で効率よく作り出せる理想的な触媒です。試験管内で改良、すなわち分子進化させることにより、より高度な機能を獲得させた酵素を作り出すことも可能です。
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基本情報
戸澤 譲(トザワ ユズル) 教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ●産業利用に向けた酵素タンパク質の創成に関する研究 ●平板型脂質膜ナノディスクを利用した膜タンパク質の機能解析研究 ●天然ゴム生合成システムの試験管内再構成への挑戦 ●高温での種子形成能を維持する植物タンパク質の利用技術の開発
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用途/実績例
【産業界へのアピールポイント】 ●通常組換え系では機能を再現することが困難なタンパク質を高品質で生産可能 ●膜タンパク質も脂質膜の添加条件により機能を持った形で作ることができる ●活性を失いやすい酵素タンパク質も安定的に合成することが可能 ●改変酵素遺伝子の利用に関する国際特許出願あり 【実用化例・応用事例・活用例】 ●日本型イネからの複数の除草剤抵抗性を付与する遺伝子の発見とその利用(2019 年にScience誌へ報告) ●希少アミノ酸トリプトファンの含有量を向上させたイネの作出に成功 ●葉緑体およびミトコンドリア膜輸送体の試験管内再構成系の構築に成功 ●赤痢アメーバや熱帯熱マラリアのミトコンドリア膜輸送体の機能を解明
企業情報
埼玉大学オープンイノベーションセンターは、産学官連携における リエゾンオフィスとしての機能を持ったセンターです。 産学官連携部門、知的財産部門、スタートアップ支援部門の3部門からなり、それぞれの 部門には、各種分野に精通したコーディネータを配置。 センターの活動としては、企業等における技術的課題の解決、 共同研究実施支援、埼玉大学の知的財産の紹介・活用に向けた 技術移転等を行っております。