キーワード: 植物 バイオマス 遺伝子 ゲノム編集 物質生産
植物は大気中の二酸化炭素を吸収して成長する、脱炭素化に貢献するバイオマスである。取り込んだ二酸化炭素の一部は、細胞壁に利用される。維管束木部を構成する道管要素や繊維細胞では、通常の細胞壁の内側に肥厚した二次細胞壁を形成する。地上部で最大のバイオマスである樹木の幹の大部分は維管束木部であることから、二次細胞壁は樹木バイオマスの実体であると言える。さらに、二次細胞壁は主に、セルロースやリグニンなどの高分子化合物で構成されており、これらはバイオエタノールやバイオポリマーの材料としても注目されている。 二次細胞壁形成には、多くの遺伝子が関わっている。私たちはこれまでに、二次細胞壁形成全体を制御する鍵遺伝子を同定しており、それら分子機能を明らかにしてきた。さらに得られた知見を利用し、特定の遺伝子情報を改変するゲノム編集技術等を駆使して、木質バイオマス利活用に有用な植物の作出にも取り組んでいる。
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基本情報
山口 雅利(ヤマグチ マサトシ) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 【最近の研究テーマ】 ●二次細胞壁形成マスター因子群の機能分化を産み出す化学構造の特定 ●二次細胞壁マスター因子を制御する発現機構 ●葉の老化過程で誘導される遺伝子発現機構の解明 ●遺伝子改変により有用物質を高蓄積させた植物の生育機能強化
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用途/実績例
【産業界へのアピールポイント】 ●細胞壁形成に関わる遺伝子を多数同定 ●シュミレーション解析による構造予測と機能解析を並行して行うことで、効率的に機能に重要なタンパク質構造やDNA 配列を特定する ●二次細胞壁形成以外にも、葉の老化や物質生産、代謝改変などの研究も行なっている ●特許出願実績あり 【実用化例・応用事例・活用例】 ●二次細胞壁の人為的誘導システムの開発 ●繊維細胞の二次細胞壁の量的形質を低下させた植物体の開発 ●ゲノム編集技術を用いた、物理的強度改変植物の作出 ●代謝物の蓄積量を改変させた植物の作出
詳細情報
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シロイヌナズナの茎の断面図
企業情報
埼玉大学オープンイノベーションセンターは、産学官連携における リエゾンオフィスとしての機能を持ったセンターです。 産学官連携部門、知的財産部門、スタートアップ支援部門の3部門からなり、それぞれの 部門には、各種分野に精通したコーディネータを配置。 センターの活動としては、企業等における技術的課題の解決、 共同研究実施支援、埼玉大学の知的財産の紹介・活用に向けた 技術移転等を行っております。