「ストラクトール」硫黄調合品(不溶性硫黄)
ゴムに溶解せず,移行しないのでブルームを起こしません
不溶性硫黄は主としてゴム用として利用されています。そのメリットは、ゴムに溶解せず、移行しないのでいわゆるブルームが起こらないことであります。 室温で、通常の溶性硫黄中に存在するS8環状分子は158℃を超えると開環し、硫黄の鎖が互いに結合してポリマー化します。この溶融状態のポリマー鎖を急冷することで、S8環状分子に戻らない、準安定なポリマー構造となった状態の硫黄が不溶性硫黄であります。 このポリマー鎖は有機溶剤やゴムには不溶であり、ゴムコンパウンド中では、不活性フィラーのように懸濁状態になります。温度によってある程度軟化し熱可塑的な振る舞いがみられます。 不溶性硫黄の通常品の多くは、硫黄ポリマー分が90%以上、溶性硫黄分が10%以下からなります。しかし、非常に粒子が細かいので静電気の影響によって固まりやすく、ゴム中で分散させることが困難な欠点があります。ロール作業時ニップ周りで不溶性硫黄が纏わりつくことがよくありますが、これは通常の溶性硫黄よりも静電気が帯びやすいためと考えられています。
- 企業:エスアンドエスジャパン株式会社
- 価格:応相談