化粧品・食品・医療分野の製品化・事業化を目指す中小企業を支援
都産技研 ヘルスケア産業支援室(SUSCARE)では、「美と健康」に関わるヘルスケア産業の活性化のため、化粧品分野を主軸に、食品・医療分野の製品化・事業化を目指す中小企業を都産技研が多面的に支援をしています。 化粧品などの原料および製品の分析・機能性評価・安定性評価の試験を受託するほか、お客さま自身が利用可能な試験機器も整備しています。機器をご利用になる際には、専門の研究員が使用方法などを丁寧に説明します。また、化粧品開発経験者による開発目線での技術相談も実施しています。 【特長】 ○ヒトの皮膚に対して非侵襲な方法により、化粧品の効能・効果を評価 ○コラーゲン産生能、抗シワ能、抗酸化能などの性能を培養細胞により評価 ○試作品の安定性、使用感などにつながる微細構造・力学特性を評価 ●詳しくはお問い合わせください。
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基本情報
【支援内容】 ○依頼試験 ・化粧品などの原料の分析・物性および製品の機能性・安定性の評価試験を受託します。 ○機器利用 ・SUSCAREにある装置をお客さま自身でご利用いただけます。 ○研究開発 ・動物実験代替試験法を開発し、有用性評価への利用を目指しています。 ○海外展開支援 ・海外への製品展開を検討するお客さまへの相談窓口をご用意します。 ○人材育成 ・製品などを適切に評価ができる高度人材を育成するセミナーなどを開催します。 【主な設備・機器】 ○分析・物性 ・元素分析機能付き走査電子顕微鏡(SEM) ・光学顕微鏡(デジタルマイクロスコープ) ○機能性評価 ・培養細胞による評価(抗シワ評価、抗老化評価、抗酸化評価など) ・毛髪多目的試験機 ・in vivo 共焦点ラマン分光装置 ○安定性評価 ・粒子径分布測定装置 ・動的粘弾性測定装置 ※SUSCAREの支援サービスご利用には会員登録が必要となります。 ●詳しくはお問い合わせください。
価格帯
納期
用途/実績例
○分析・物性 原料の成分分析により、有用物質の探索が可能です。得られた有用物質の詳細な分析も実施できます。 ○機能性評価 コラーゲン産生能、抗シワ能、抗酸化能などを細胞を用いて評価します。 ○安定性評価 長期保存した試作品の力学特性を評価します。
詳細情報
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元素分析機能付き走査電子顕微鏡(SEM) 本装置(TM4000Plus)では、試料表面の凹凸や組成に関する情報が反映された像の観察および元素マップ(図)の取得が可能です。 ○表面観察 事例)毛髪表面(キューティクル・コンディショニング剤の付着) ○元素の定性分析 事例)サンスクリーン剤の塗布性、ファンデーション中の無機粉体の分散状態 [図:トリートメント剤の塗布状態の評価] トリートメント剤塗布前後の毛髪の元素の定性分析比較 トリートメント剤塗布前(A)には見られないSiが、塗布後(B)に毛髪表面で観察された
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光学顕微鏡(デジタルマイクロスコープ) 本装置(VHHX-7000)では、高倍率観察や断層撮影による3次元画像構築、表面粗さの数値化などの解析が可能です。 ○形態観察・サイズの計測 事例)毛髪の断面形状、カラー剤の内部浸透性評価 ○3次元画像構築 事例)エマルションの状態、毛髪表面の粗さ評価 [図:染毛剤の毛髪内部への浸透性評価] 各種染毛剤のヒト白髪内部への浸透性の観察像による評価(各種染毛剤で処理した白髪の断面観察像) Cは毛髪の内部まで浸透して染色しているが、Dの染色は毛髪の表面のみ A:各種染毛剤で処理した白髪の外観 B:未処理 C:市販染毛剤(医薬部外品)処理 D:市販染毛剤(化粧品)処理
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粒子径分布/ゼータ電位測定装置 本装置(Litesizer 500)では、分散系や溶液内のナノ粒子や微粒子の粒径・粒度分布の経時的変化を測定することで製品の安定性を評価できます。時間、温度、pH変化に伴う評価も可能です。 ○粒度分布評価 事例)化粧水中のナノ粒子の粒度分布 ○粒径測定 事例)乳液内のエマルションの粒径測定 [図:エマルジョンの粒子径測定] 乳液製品Aの高温安定性の評価 60℃で1週間加温した後の乳液製品A中に分散する微粒子の粒子径を、動的光散乱法により測定 加温前には見られた200 nm程度の粒子による散乱が、加温後には消失したことから乳液製品Aは高温環境で保管すると品質が変化することが示唆された
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毛髪多目的試験機 本装置(fibra one)では、滑らかさやクシ通りなどの毛髪特有の力学特性を評価することができます。 [図:測定時の様子] A:毛髪の摩擦特性評価 B:毛髪のクシ通り評価 C:スタイリング剤の固定化評価(3点曲げ評価)
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動的粘弾性測定装置 本装置(MCR502)では、液状またはゲル状のサンプルを挟み込み、正弦振動や回転を与えたときの歪と応力の関係を調べ、粘度などの物性値を求めることができます。 温度および湿度一定下での測定も可能です。 ○化粧品の粘弾性測定試験 事例)化粧品の流れやすさ、容器から押し出すときの固さなどを評価できます。 ○経時安定性の加速試験 事例)ヘアコンディショナーの経時安定性(異なる温度の周波数分散測定により、サンプルの経時安定性の加速試験を行うことができます。) [図:化粧品の流れやすさの評価] 乳液状およびジェル状の日焼け止めクリームを肌に乗せたときの流れやすさ・流れにくさの評価 クリームAの貯蔵弾性率(Gˊ)は損失弾性率(Gˊˊ)よりも大きいが、クリームBではあまり変わらなかった。 さらに、クリームAのGˊはクリームBよりも大きかった。クリームAはクリームBよりも流れにくいことが示唆された。
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In vivo 共焦点ラマン分光装置 分子に特異的におこるラマン散乱光を測定することで、皮膚組成を無侵襲で取得することができる装置です。 ○皮膚内部組成の測定 事例)セラミド、水分、NMFおよび尿素などを測定できます。 ○皮膚に塗布した物質の浸透具合の測定 事例)ヒト皮膚の含水率及び化粧品成分の浸透性を評価できます。含水率の深度分布から角層の厚みを算出できます。 [図:ヒト皮膚への化粧品成分の浸透性評価] 含水率が角層領域で急上昇し、顆粒層到達時に飽和することに着目し、2本の一次曲線の交点から角層厚を推定します(図A) 誤差曲線を指標として、化粧品の浸透性を判断します(図BおよびC) 化粧品塗布時のシグナル強度は約8μmまで誤差曲線より高く、化粧品が角層に浸透していることを示しています(図B) 非塗布時のシグナル強度は表層で誤差曲線を下回っており、浸透していないことを示します(図C)
企業情報
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、都内中小企業への技術的な支援を行うことにより都内中小企業の振興を図り、都民生活の向上に寄与することを目的として、東京都により設立された公設試験研究機関です。 1921年(大正10年)、府立東京商工奨励館として開業した都産技研は、2021年に創業100周年を迎えました。時代とともに変わりゆく産業を変わらぬ使命で支え、先端技術や社会ニーズをとらえた中小企業支援に取り組んできました。