非粘着性に優れる「フッ素樹脂コーティング」を基材にしっかり密着させるための脱脂工程。「空焼き」について解説します。
■脱脂工程とは コーティングを施す面に付着した油脂や汚れを除去する工程です。 ■脱脂が不十分な場合の不具合 コーティング材料の弾きなど、 塗膜の密着不良や、シミなどの外観不良の発生につながります。 ■脱脂方法の種類 ・空焼き ・溶剤洗浄 ■空焼きの工程 基材を焼成炉でコーティング加工温度以上に加熱することで、 油分などを酸化燃焼させて除去させます。 通常は400℃を超える温度で数時間焼成を行います。 ■空焼きのメリット ・油分を分解する際に有毒ガスなどの発生がなく、 水と二酸化炭素に分解されます。 ・コーティング焼成工程でトラブルの原因となる有機成分を 全て分解することができます。 ・焼成炉に入るサイズであれば大型の製品でも対応が可能です。 非粘着性に優れるフッ素樹脂コーティングは 適切な脱脂工程(下地処理)を行うことで、基材にしっかりと密着して機能を発揮します。 ※フッ素樹脂コーティングの工程概略はPDFをダウンロード頂くか、 お気軽にご相談ください。
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基本情報
■空焼きの留意点 ・薄いものや精密部品の場合、熱処理による歪が問題となることがあります。 ・次工程でブラストなどを行わず加工する場合、 銅製品などは酸化膜が生じてコーティングの密着が悪くなります。 ※銅製品は通常のフッ素樹脂コーティングを行う場合も酸化膜対策が必要です。 ・融点の低い合金などは熱処理により変形が起きる場合があります。 ・焼き入れ鋼の場合、焼き戻し温度によって焼きなましになる場合があります。 脱脂工程で行う空焼きですが、留意点を考慮して行うことでさまざまな製品に適切に脱脂処理を施すことができます。
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企業情報
製造装置や機械部品の性能を最大限に引き出すため、 吉田SKTは数百種類の表面処理技術から、お客様だけの「最適解」を導き出します。 ・粘着トラブルによる生産性低下 ・摩擦による製品品質の不安定化 ・腐食による設備の早期劣化 こうした製造現場の課題に、豊富な実績と確かな技術力で応えます。 1963年、フッ素樹脂加工を開始。 1968年には米国デュポン社(現ケマーズ社)とのライセンス契約を締結し、 自動車から医療、航空宇宙まで、2,000社を超えるお客様の製造革新をサポートしています。 さらに2024年にはPFASフリーコーティングを開発するなど、次世代製品の開発にも注力。 持続可能な製造業の発展に貢献します。 名古屋・東京・山口の3拠点体制で、量産から特注品まで柔軟に対応。 一貫した品質管理体制により、確かな品質をお届けします。 製造現場の課題解決は、表面処理のエキスパート、吉田SKTにお任せください。