表面処理液に含まれる酸と金属成分を分離してそれぞれ回収・再利用できます。また、濃度差を利用するので、低エネルギーで分離できます。
AGCグループが開発・製造している『セレミオン』による拡散透析装置は陰イオン交換膜と濃度拡散の働きで、酸と金属成分を簡単に分離することができます。 <拡散透析による金属分離に適した成分> 硫酸中のアルミ・鉄・クロム・ニッケル・銅・タングステン・ロジウム等 *塩酸・硝酸の場合は金属塩の種類により分離率が低下する場合もあります。 *詳細はお問い合わせいただくか、カタログをダウンロードしてください。
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基本情報
イオン交換膜 セレミオン 電気透析、拡散透析、水素イオン選択透過、1価選択透過、高耐久性膜等お客様の用途に応じたイオン交換膜を用意しています。 電気透析装置(ED) 食塩製造、食品・調味液脱塩、工程廃水脱塩再利用、井戸水の脱塩・脱Nによる飲料水の製造、酸回収等にご利用いただけます。直流電流を駆動力として有機物と塩の分離が効率よく行えます。また、薬剤の使用量を大幅に削減することができます。 拡散透析装置(DD) 酸と金属成分の分離にご利用いただけます。濃度差を駆動力とするのでイオンを移動させるための直流電力の必要がなく、ランニングコストが安く装置もシンプルで日常の運転管理が容易です。分離した酸と金属塩はそれぞれ回収・再利用することで、金属の表面処理工程等に有効利用できます。 「セレミオン」はAGCエンジニアリング株式会社の登録商標です。
価格帯
納期
用途/実績例
・アルミサッシ表面処理液 ・電解コンデンサーアルミ箔エッチング液 ・鋼板表面処理液 ・ステンレス表面処理液 ・貴金属工業 ・各種金属工業 ・その他 酸の分離・回収
詳細情報
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[イオン交換膜] イオン交換膜はシート状に成形された有機高分子材料で、スフフォン酸や4級アンモニウム等のイオン交換基を含んでいます。 イオン交換膜は用途に応じて数多くの種類が用意されていますが、基本的には陽イオンを通過する陽イオン交換膜と陰イオンを通過する陰イオン交換膜に分類されます。 陽イオン交換膜にはマイナス荷電を帯びた官能基が、陰イオン交換膜にはプラス荷電を帯びた官能基か固定されているため、固定荷電と同荷電のイオンは膜内の通過を疎外され、反対荷電のイオンだけが膜内を通過できます。
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[原理] 拡散透析用に設計された陰イオン交換膜をスペーサーと共に多数組積層します。積層された陰イオン交換膜の片側に廃酸を、その反対側に水を向流で流します。陰イオン交換膜を介して生じた濃度差により、廃酸側から水側(回収酸側)へ酸が拡散移動しますが、大きな多価陽イオンを持つ金属塩は陰イオン交換膜を通過することができず、透析液側に残ります。このようにして、遊離酸を金属塩と分離して回収することができます。
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[拡散透析実験フロー例] T-0型は小型の拡散透析槽です。左図は実験フローの一例になります。得られたデーターは実機へのスケールアップ資料として有効にご利用いただけます。通常はT-0型本体のみの販売となりますが、ご要望に応じて周辺機器の販売も承ります。
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[原理] 陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に、スペーサーを介して多数組積層し、その両端に1対の電極を配置します。陽極側の陰イオン交換膜と陰極側の陽イオン交換膜で仕切られたスペースは脱塩室(D室)と呼ばれ、それとは反対に陽極側の陽イオン交換膜と陰極側の陰イオン交換膜で仕切られたスペースは濃縮室(C室)と呼ばれます。電気透析槽ではD室とC室が交互に配置され、D室に原液を供給すると陽イオンは陰極に向かって陽イオン交換膜を透過して右隣のC室に移動しますが、C室の陰極側は陰イオン交換膜で仕切られているために、さらに右隣のD室に移動することはできません。 同様にして陰イオンはD室から左隣のC室に移動します。結果としてD室で脱塩され、C室に濃縮されることになります。
企業情報
独自の技術開発と製造プロセスにより、安全、安心、快適で環境に優しい世の中を創造する化学品事業。 苛性ソーダや塩ビモノマーをはじめとするクロールアルカリ事業と、ポリオールを中心とするウレタン事業。そして、世界トップレベルのフッ素化学事業を柱としています。