10 GHz以上で良好なノイズ抑制効果を示す電磁波吸収体
IoTデバイスの増加や5Gの普及により、機器内部の伝送回路から発せられるノイズ電磁波が深刻な問題となっている。これらのノイズ電磁波の周波数は3GHz程度であるため、100-101 GHzオーダーの電磁波を吸収可能な電磁波吸収体が求められている。現在、FeSiAl合金の扁平粉末を樹脂と混合した電磁波吸収体が実用化されているが、吸収帯(共鳴周波数)はMHzオーダーに留まることが課題であった。 本発明は、形状磁気異方性の向上というアプローチに基づき、3~12GHzの吸収帯と、10 GHz以上での優れたノイズ抑制効果を実現した 電磁波吸収体に関するものである。大きな二相分離構造のFeCoCr合金を用いることで、大きな形状磁気異方性を達成している。右図に示す通り、電磁波吸収能と伝送減衰率は市販の5G用ノイズ抑制シートの2倍を示している。さらに、本電磁波吸収体はレアアースを含まないため、経済安全保障の観点からも有用である。