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従来の熱物性の測定方法としてはサーミスタや熱電対があるが、配線が必要なためさらなる素子密度向上、高感度化には限界がある、という課題があった。機械共振を利用した温度検出方法もあるが、平面構造で機械共振をさせるため、この方法も素子密度向上が難しい、共振部をレーザーの反射で読み取る方式の場合は装置内のレーザーの数を増やす必要があるため、実現は極めて現実的ではないという課題があった。 発明者は上記課題を解決するために、高アスペクト比を有する振動子の共振振動の振幅を画像検出して温度測定する素子を開発した。この発明は配線が不要であり、アレイ化に有利な構造のため、より高密度かつ高分解能、素子密度の高いサーモセンサの実現が期待できる。実際に開発した素子は32%/℃という高い温度感度を有し、この値は共振周波数シフト型(35ppm/℃)、サーミスタ(2.0%/℃)より高い。この素子を用いた高感度な温度測定用途への活用が期待される。
地熱発電では、注入井から流体を圧入し、岩盤のき裂内を流れる過程で熱を吸収した高温流体を生産井から取り出すことで地熱エネルギーを回収する。この過程では、透水性の高いき裂(優先流路)への流量集中により、注入流体が十分に熱交換することなく急速に生産井に到達するショートサーキットが生じ、発電効率の低下を招く場合がある。現状、一度形成された優先流路を恒久的に閉塞する確立された方法はなく、注入量の制御や注入井の切り替えといった一時的な対処に留まっている。 発明者らは、高温で強度が増大する温度応答性ゲルを注入井から圧入することで、ショートサーキットを根本的に解消できる可能性を見出した。圧入されたゲルは優先流路内に充填され、貯留層の高温域で固化することで優先流路を選択的に閉塞する。これにより後続の流体が他のき裂へ分配され、熱回収効率の向上が図られることが期待される。なお、ゲルの構造を調整することで固化温度を制御できるため、様々な貯留層温度への適用も可能となる。
内視鏡的粘膜下層剥離技術(ESD)は病変を一括切除が可能な手法であるが、手術難易度が高い。特に視野が狭かったり粘膜下層への潜り込みがスムースにできない症例では、高度な熟練技が要求される。従来、弾性部材に接続されたクリップ等で病変部を挟み牽引することで、剥離面の視野の確保や潜り込み操作を軽減する手法がある。しかし、内視鏡を介して把持部材を適切に装着することは容易ではなく、複数の処置具の操作に煩雑な手間を要するという課題があった。 本発明は、適切な力で病変部を牽引することで、切除手技を安全かつ確実に行う牽引ロボットに関する発明である。牽引ロボット内部には電磁モーターと病変部を牽引するワイヤーを有し、力センサーを搭載することで牽引力を計測しフィードバック制御を可能とする。また、生体内で牽引部を固定する足場を備えることで、より安全かつ高精度に牽引力を検出できる。
体内で検査や治療を行う飲み込み型デバイスの開発が進められている。飲み込み型デバイスは、小型で電源容量に限りがあるため長時間駆動や機能搭載に限界があった。また、従来のデバイスは小腸などの消化器系の運動によって移動するため、一定の箇所で長時間計測や投薬等の機能を果たすことが困難であった。 本発明の飲み込み型デバイスは、飲み込み時は小さく折り畳んだ状態で包埋され、特定箇所で拡張して器官内に固定される、コイル配線を有したリング形状のデバイスである。拡張してコイル径が大きくなるため、体外のコイルとの誘電結合によって効率的なワイヤレス給電が可能となる。また、コイル拡張時に消化器官内の特定の場所にデバイスが固定されるため、時間変化の計測や、適切な場所・時間での投薬が可能である。
ニッケルとコバルトはリチウムイオン電池の正極材用途としての需要が拡大しており、両者を効率よく分離・製錬する技術が求められている。両者は金属・イオンともに性質が類似しており一般に分離が困難であるため、現行では錯形成挙動の違いを利用する溶媒抽出法による分離が広く用いられているが、工程が多く環境負荷の高い有機溶媒を用いており、さらに金属単体として取り出すには抽出後に精錬が必要という課題があった。 本発明は、ニッケルとコバルトの混合水溶液中からニッケルを選択的に電解採取する低コスト・低環境負荷な手法に関するものであり、汎用的な電極を用いたシンプルな電解プロセスで実現できる点に特徴がある。実施例では純度99.4%以上の電着ニッケルが得られており、既存プロセスとの組み合わせによるさらなる高純度化や、リチウムイオン電池正極材やステンレス向けにリサイクル由来の高純度ニッケルを供給できる可能性がある。
粉末床溶融結合や電子ビーム溶融に代表される金属積層造形プロセスにおいて、金属粉末の溶融・凝固現象をマルチスケールに数値的に解析をする技術の開発が進展している。従来は、物理現象に基づく方程式をベースに解析が実行されてきたが、精緻な計算になるほど計算負荷が高くなり、造形物全体を計算することは困難であった。負荷低減のために、粒径分布、相分率や結晶方位分布などのミクロ構造情報を平均化する処理を行う手法もあるが、未溶融粉末やポロシティ、クラック などミクロ欠陥の形成挙動の予測が困難であった。 本発明は、数値解析プロセスの一部を機械学習に基づいたサロゲートモデルに置き換えることで、課題の解決をはかり、造形物全体のスケールにおける数値解析を可能とするものである。 マクロスケール解析とサロゲートモデルを有効に統合することで、計算負荷を抑制しつつミクロ構造情報の喪失を回避するマルチスケール解析を実現する。これにより、計算負荷を1/10に低減し、造形物全体を計算可能にする。
パウダーベッド方式の金属積層造形法におけるスモーク現象を抑制する技術に注目が集まっている。この方式はパウダーベッドに電子ビーム等を照射することで金属粉末を溶融・凝固し積層造形を行う。その際、金属粉末が照射ビームにより浮遊・飛散する現象が知られており、スモーク現象と呼ばれている。スモーク現象はビーム照射を阻害するため金属粉末の溶融が不十分となり、積層造形物の劣化を招く。この課題の解決のため、仮焼結を行うなど対策がとられてきたが十分ではなく、研究・開発が継続的に行われている。 本発明は、個々の金属粉末が薄い酸化被膜に覆われていることに着目し研究を重ねた結果、これまでよりも効果的にスモーク現象を抑制可能にする装置を考案したものである。スモーク現象は個々の金属粉末が照射ビームにより帯電することが主たる原因であることから、パウダーベッドに前処理を施すことで、課題の解決をはかったものである。これにより、スモーク現象を効果的に抑制する積層造形装置の開発や、既存の装置へマウント可能な補助装置の開発が期待される。
軟磁性材料からなる磁心にコイルを巻回したインダクタやトランスは、データセンターの電子基板などに広く利用されている。特にアモルファス軟磁性材料は、高効率化を目的としてEV用モーター等への応用が期待されている。いずれの用途においても、鉄損(ヒステリシス損、古典渦電流損および過剰損の総和)を低減することが、電力機器の高効率化および小型化に寄与するが、高周波帯においては過剰損が支配的となるため、その低減に資する材料設計が求められる。 本発明はアモルファス軟磁性材料に簡単な処理を施し、過剰損を低減する手法である。アモルファス軟磁性材料をナノ結晶化する従来手法に比較して、高周波帯における低損失化の効果が大きく、加工性に優れ、幅広い材料種に適用可能性があることも利点である。
電気自動車および再生可能エネルギーの普及に伴いリチウム(Li)の需要が急増している。Liの生産方法は塩湖かん水の濃縮法と、鉱石(主にα-スポジュメン)からの回収法の2つに大別される。前者は広大な用地と長い処理時間を要し、気候に依存する。後者は反応性の高いβ-スポジュメンに変換するため1000℃以上の焙焼工程を必要とし、加えてその後のLi溶出に大量の硫酸を使用するため、エネルギーや薬剤の消費量が大きい点が経済的・環境的課題であった。更にLi溶出の過程でSiやAlなどの不純物も溶出するため、その後の精製工程が複雑化・高コスト化していた。発明者らは鉱物の水熱反応系を構築し元素挙動を制御することにより、低温条件下で高純度Liの回収、水素エネルギーの生成、脱炭素を同時に達成可能な技術を創出した。例として、NaHCO3溶液とカンラン石を用いることで、300℃かつ弱アルカリ性の温和な条件でα-スポジュメンからLiを効率よく持続的に溶出させることができる。また、SiやAlの不純物は二次鉱物として固定され、精製工程の簡略化に寄与する。加えて、カンラン石中のFe(II)とMgを利用し、H2の生成及びCO2固定を同時に実現できる。
希土類であるEu(ユーロピウム)と有機分子からなる錯体は、紫外光のみ吸収して、高輝度・高色純度の赤色発光を有する材料であり、ディスプレイや照明、センサとして開発が進んでいる。従来の希土類錯体は、溶解性が低く結晶化を生じ易い特性があり、透明な成形体の作製や、プレートなどに直接塗布したフィルムとして使用することは困難であった。 本発明は希土類錯体に結晶性を低下させる透明化剤を混合することで、透明で塗布可能な光波長変換フィルムを実現した。また、紫外光のみ吸収し、可視光を透過させる機能を有するため、例えば農業フィルムに塗布することで、植物育成効果を有するフィルムとして応用できる。
蛍光体は照明やディスプレイに活用されており、近年では無機蛍光体のほか、蛍光色素等も注目されている。しかし、従来の赤色蛍光体は、耐久性の制限、紫外線のみによる励起、あるいは材料の毒性の問題により、次世代LED、ディスプレイ、センサーへの応用に課題があった。 ユーロピウム(Eu)と有機分子からなる錯体は、紫外光励起で赤色に強発光し、色純度も高いため発光体材料として有望である。しかし、従来のEu錯体は青色光の長波長域における吸収能が低いため、白色LEDへの適用ができなかった。 本発明はEu(III)に縮合多環芳香族基に基づく新型カーボン構造を導入した錯体であり、青色光(450 nm)励起による高輝度な赤色発光を実現した。本錯体は高色純度、高耐久性を有し、量子ドットのような毒性を含まない発光体である。
医療、航空、環境モニタリングなどにおいて、酸素濃度のセンシング技術が注目されている。中でも光学式酸素センサーは、有害物質を含まず、非消耗センサーとして有望である。一方、光学式酸素センサーは低酸素濃度下での測定が難しく、感度が低いという課題があった。 本発明は、発光性と非発光性の希土類錯体の混晶を用いた遅延発光システムに基づく酸素センサーである。希土類イオンとしてYb(III)錯体とLu(III)錯体を用いた混晶材料では、酸素濃度0kPaと21.3kPaにおける発光寿命の変化は約630倍であり、発光体を用いた酸素センシング能は世界最高レベルを有する。
蛍光体は照明やディスプレイに活用されており、近年では無機蛍光体のほか、蛍光色素等も注目されている。有機分子とレアアースから構成される有機・無機ハイブリッド材料は、紫外光励起で強発光し、色純度が高い性質を有するため、従来の発光体よりも美しい照明演出への適用が期待されている。 本発明は、ユーロピウム(Eu)と有機分子からなる希土類錯体に関する。本錯体の配位子に縮合多環芳香族基を導入することで、可視紫外光に対して大きなモル吸光係数を有し、Eu(III)に高効率にエネルギー移動し、高輝度に発光する。また、本錯体は300℃に近い高い耐熱性も有する。
土砂災害によって道路が寸断されると物資の輸送網が遮断されるため、災害現場では仮設道路を整備して車両の通行を確保することが迅速な復旧に不可欠である。仮設道路はバックホウの掘削動作によって構築されるが、作業には二次被害の危険性が伴うため、バックホウの自動化技術が求められている。従来の研究では、段差を走行可能な斜面に改変する動作計画が行われており、シミュレータを用いた改変作業には成功している。しかし、離れた場所にある目的地へ移動するには、そこへ至る経路と掘削作業を同時に計画する必要があり、その同時計画は未達成であった。 本発明は、不整地の掘削計画と目的地への経路計画を同時に行う手法を提案する。掘削は、経路上の各地点のフットプリント内に走行可能な斜面を当てはめ、その斜面の切り土と盛り土の量が等しくなるよう調整することで実現する。A*法による計画問題に掘削と移動のコストを加え、そのコストを最小化する解を導出することで、改変後の地形と移動経路を同時に算出する。また、各コストの重み付けを変えることで、経路や掘削計画の指針を柔軟に調整することも可能である。
固体電解質を用いた二次電池の開発は、安全性と信頼性を兼ね備えた次世代エネルギー貯蔵技術として活発に推進されている。候補材料としては、硫化物系無機電解質や高分子電解質が注目されており、いずれも優れたリチウムイオン伝導性を示すことが知られている。これらの特性に加え、全固体電池の実用化に向けて、安全性や長期耐久性の観点からも改良が進められてきた。しかしながら、産業界の要求を総合的に満たす材料は、いまだ十分に確立されていない。 本研究では、継続的な検討の結果、高いリチウムイオン伝導性と安全性を両立する新規固体電解質材料の開発に成功した。本材料は、ハイドロキシアパタイトを基盤とし、特定の改質を施すことで実現されたものである。従来のハイドロキシアパタイトはリチウムイオン伝導性をほとんど示さないが、本研究で開発した改質材料では、室温において約1 mS/cmのイオン伝導性が確認された。本成果は、より安全で高性能な全固体電池開発への新たな道筋を示すものであり、自動車分野やロボット分野への応用が期待される。
金属積層造形法に使用される金属粉末を再利用する技術に注目が集まっている。金属積層造形の工程では、未溶融の金属粉末を回収して再利用することが行われている。従来から知られている方法に、回収した金属粉末に未使用の金属粉末を混合する処理があり、パウダーリフレッシュと呼ばれている。しかし、未溶融とはいえ、回収した金属粉末中には繰り返しの積層造形により揮発性の高い元素が蒸発し、本来の組成を外れた粒子も存在する。パウダーリフレッシュは粒子個々の組成を回復する処理ではないため、再利用方法のさらなる改善が求められていた。 本発明は、金属粉末の粒子個々の運動に着目し研究を重ねた結果、これまでよりも効果的に特定元素の供給を可能にする装置を考案したものである。摩擦や衝突の過程を詳細に観察・検討するなかで、粒子個々の表面等への特定元素の供給手段が明らかとなり、課題の解決をはかったものである。これにより、積層造形におけるより効果的な粉末再生工程の構築が可能となり、造形物のコストダウンなどにつながることが期待される。
金属ホウ化物は高硬度、高融点、導電性などの優れた特性を有する。従来の金属ホウ化物の固相反応合成には高温および高純度の金属単体が必要であり、金属単体の精錬に高いコストがかかるため、より安価な金属酸化物原料から低温で合成できる技術の確立が望まれる。 本発明は、金属や金属酸化物や原料から金属ホウ化物を低温(600℃~)かつ安価に合成する方法に関する。具体的には金属や金属酸化物原料とB2O3を金属NaとSiO2と共に加熱することで、金属ホウ化物が生成する。水溶性の副生成物Na2SiO3を水洗除去することで高純度の金属ホウ化物を得ることが可能である。 本発明にはTaB2を始めとする各種の金属ホウ化物の実施例がある。得られる金属ホウ化物の形態は数十nmの微粉末から数十µmの結晶粒まで制御可能である。
この発明では、酵母・麹菌を用いたバイオものづくりプロセスにより、真珠様多層ナノ構造を有する有機-CaCO₃複合材料を創製する、新規材料生産プラットフォーム技術を提案する。 発明者らはこれまで、マベガイ(Pteria penguin)真珠バイオミネラリゼーションに関わる外套膜分泌液由来マトリックスタンパク質や酵素の構造と機能を明らかにしてきており、それらを酵母で発現させることにより、高度に制御された多層ナノCaCO₃結晶を得ることに成功した。 【高機能材料の創出】 発現させる真珠マトリックスタンパク質や酵素の工夫により、結晶構造とそれに基づく材料特性を制御することができる。 【持続可能性】 発酵由来の生産プロセスであるため、低環境負荷かつ低コストに大量生産することができる。
既存のアルツハイマー病治療薬は、認知機能の劇的な改善には至っておらず、Aβ蓄積そのものを制御する根本的治療薬が望まれている。 発明者らは、ヒトアミロイド前駆体タンパク質(APP)を非アミロイド経路へ導くADAMsファミリーと共通の祖先に由来する、ハブ(Protobothrops flavoviridis)由来蛇毒メタロプロテアーゼ(SVMPs)に着目した。 in vitro試験の結果、SVMPsカクテルが分泌AβをAPPのα切断部位に相当する部位で切断し、無毒なp3断片へと変換することで、培地中Aβ量を約90%低下させ、強力なAβ分解活性を有することを明らかにした。 特にFlavoridin前駆体由来SVMPは、Aβモノマーだけでなく凝集過程にあるプロトフィブリルや線維性Aβにも作用し、ヒト内在性Aβ分解酵素であるNeprilysinと比較して高い基質特異性を示し、神経ペプチドの分解を起こしにくいことから、低副作用のアルツハイマー病根本治療薬リードとして期待される。
細胞には複数のオルガネラ(核、細胞質、ミトコンドリア等)が含まれており、各オルガネラの熱物性を測定や推定することが求められている。これらの微細な細胞の従来の熱物性推定方法としてはナノダイヤモンドや蛍光タンパク質等の感温性ナノ粒子や共振型温度センサやサーミスタなどの微細加工センサが挙げられるが、これらは空間分解能、温度分解能、応答速度、非侵襲性という観点で、全ての要素を満たす方法が存在しないという課題があった。 本発明は微細な電極をアレイ化した熱物性推定装置を作成し、その装置にて各電極から得られる熱分布情報と、温度変化情報を複数取得して、熱伝導方程式を解くことで、熱物性パラメーターを推定することに成功した発明である。本発明を用いることで、複数のオルガネラ一つ一つの熱物性を高感度、高速、非侵襲で、測定や推定することができる。
近年、動物愛護の観点から、医薬品・化粧品開発における動物試験を削減する動きが加速している。その結果、動物試験の代替として、ヒト生体に近いin vitro評価法への転換が国際的に求められている。生体模倣システム(MPS)は、マイクロ流体技術とヒト細胞の組み合わせにより、臓器レベルの生理機能を再現する次世代のin vitro評価法として注目を集めている。MPSで生体内の環境を再現するには、酸素等の培養液中の溶存ガスの濃度やpHを適切に制御する必要がある。 発明者は、酸素濃度とpHの2次元平面分布を自在に独立制御可能なデバイスを開発した。本発明は、酸素濃度やpHの勾配が生じている微小空間における細胞動態の解明等への活用が期待される。加えて、例えばがん組織における低酸素や低pH環境を再現するデバイスとして、がん罹患時の生体に近い環境で抗がん剤の薬効評価や毒性評価を行うことが可能となる。上記を含めた、様々な用途におけるOrgan-on-a-chipとしての活用が期待されている。
圧電セラミックスや圧電ポリマーを素材とした圧電感応型センサの開発が進められている。そのなかでも、ポリフッ化ビリニデン(PVDF)は(CH2-CF2)の繰り返し構造からなる半結晶性高分子であるが、安価で優れた柔軟性をもつことから注目されている。さらなる圧電特性の向上が求められているなか、とりわけその柔軟性を損なわずに素材の改良が検討されてきたが、これまで産業界のニーズを満たす材料開発にはいたっていなかった。 研究を重ねた結果、圧電特性の大幅な向上を実現する改質PVDFの開発に成功した。原料となるPVDFに添加物を加える調合工程を設けることが新素材開発を可能にした。従来この素材がもつ優れた柔軟性を損なうことなく、圧電特性が増大することを確認している。これにより、より高感度なセンサ開発の道が拓かれ、医療機器産業やロボット産業での応用が期待される。
工場、マンション、病院、商業施設、浄水場やビルにおいて、揚水ポンプを使った高置水槽への揚水が行われているが、ポンプによる揚水は電力を大きく消費してしまう。 そこで本発明では、高圧流体を液体貯留部に供給して内圧を増加させることにより、液体を高所へ移送する揚液システムおよび揚液発電システムを提案する。 ■発明のポイント ・従来の揚水ポンプと比較して電力消費を大幅に削減 ・可燃性ガスを用いる方式と比較して高い安全性と取り扱い性を実現
発明者らはこれまで独自の亜臨界分離技術を開発しており、新しく確立した 室温付近での二酸化炭素–エタノール–水の3成分溶媒系における相平衡の 推定手法との組み合わせにより、藻類由来の油分を効率的に抽出する条件設計が可能となった。 そこで本発明では、亜臨界流体とフィード溶液(アルコール水溶液+藻類) とを混合することにより、油分を高濃度に含む気相と、クロロフィルおよびフェオホルバイドを高濃度に含む液相とに分離する、クリーンな機能性成分抽出技術を提案する。 ◎安全性の向上 :毒性を持つフェオホルバイドの気相中濃度を低減し、藻類由来の機能性 成分(油分)を用いた医薬・食品・化粧品等の安全性を確保 ◎酸化・熱劣化の抑制 ◎省エネルギー :高温条件である従来法に比べ、エネルギー消費を削減 ◎低環境負荷 :使用するのは水、エタノール、二酸化炭素等の環境溶媒のみ
発明者らはこれまで、安心安全な医薬食品素材の製造に向けて、ひとや環境に優しい3種のグリーン溶媒(二酸化炭素、エタノール、水)に基づく高圧気液平衡関係を利用した分離法(亜臨界溶媒分離法)を独自開発している。一方、超臨界・亜臨界流体を用いた製造プロセスにおいては、背圧弁の出口側において超臨界流体が断熱膨張することから、スラリーの凍結とそれに伴う閉塞が発生し易く、生産性が低下し、メンテナンスに要する時間や費用が増大するという問題があった。 ここで提案する超臨界・亜臨界流体装置は、分離抽出用カラムにおける気相側と液相側とで圧力差を生じさせる構成を採用することで、上記問題を解決し、生産性及び安全性に優れた製品製造/機能性成分抽出プロセスを提供する。 ◎連続的な分離回収による高生産性を実現 ◎スラリーを処理できるため、前処理に要する手間、時間の削減&目的物質の変性が起きにくい ◎有害な有機溶媒を含まないため安全性に優れる
従来のマイクロ流体デバイスは、平面基板上に、半導体製造技術であるリソグラフィ法を利用して作製されてきた。しかし、平面以外の流路構造を作製できないという課題がある。発明者らは、回転熱延伸装置を開発し、これを利用して立体構造を有するらせん流路、あるいはマイクロコイルファイバーを製造した。さらに、その用途(例:電気泳動)も考案された。 本技術のポイント: ・柔軟的なデザインが可能:ファイバーの材料(高強度、弾性材料の選択)、サイズ、ピッチ(コイルの間隔)、中空部分の形状(中空にしないことも可能)、挿入電極の本数などは、ユーザーの要望に応じてデザイン可能。 ・機能の多様化:導電性材料、磁性材料、生体適合材料など様々な素材を巻き込むことで、多機能・高性能な複合ファイバーが作製可能。 ・製造装置の小型化:取扱いやすいサイズ。
従来のマイクロ流体デバイスは、平面基板上において半導体製造技術であるリソグラフィ法を利用して作製さ れている。しかし、平面以外の流路構造は実現できていないという課題がある。発明者らは、回転熱延伸装置を開発し、これを利用して立体構造を有する中空スパイラル状のマイクロファイバーを製造できた。さらに、その用途(例:マイクロミキサー)も考案された。 本技術のポイント: ・柔軟的なデザインが可能:ファイバーの材料(高強度、弾性材料の選択も可能)、サイズ、ピッチ、中空部分の形状(中空にしないことも可能)などは、ユーザーの要望に応じてデザイン可能。 ・製造装置の小型化:取扱いやすいサイズ。
半導体デバイスの高集積化に伴い、半導体回路に用いられる金属配線の高温化及び電流の高密度化が進んでいる。そこで問題となるのが金属疲労によるエレクトロマイグレーション(EM)損傷である。従来、積層化やリザーバの設置など、配線構造を工夫することによりEM強度を高める対策を行ってきた。一方で、これらは多くの工程が必要で、コストが高いという課題があった。 本発明は、従来より簡単かつ低コストな配線加工を施すだけで、EM損傷を抑制する手法を開発した。本発明は配線を流れる電流密度を緩和させるため、EM損傷に対する信頼性を高める技術である。
本発明は、ヒト免疫抑制性受容体 LILRB4(白血球 Ig 様受容体 B4)に特異的に結合し、その生理的リガンドであるフィブロネクチン (FN)との結合を阻害する新規抗ヒト B4 モノクローナル抗体に関する。 本発明のポイント: ・新規免疫チェックポイント阻害剤:B4-FN 経路は、B4 を介した免疫抑制機能の発現に関わるため 、本抗体を有効成分とする免疫チェックポイント阻害剤は、がん免疫療法などに新たな選択肢を提供する。 ・広範な疾患への適用:がん、自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患、アルツハイマー病などのB4が関与する幅広い免疫チェックポイント関連疾患の治療剤としての利用が期待される。
免疫抑制性受容体LILRB4(B4)は、PD-1に代表されがん治療等で注目される免疫チェックポイント(CP)分子の1つと期待されているが、その真のリガンドは不明であった。発明者の先願(関連文献1)では、B4の生理的リガンドフィブロネクチン(FN)の発見と、B4-FN結合阻害により免疫制御が可能であることの発見に基づく、新規免疫CP阻害剤とそれを含む治療剤を提供した。 本発明ではFN結合を阻害するB4のモノクローナル抗体を独自に作製し、B4をバイオマーカーとして肺がん患者の予後予測を検証できた。すなわち、予後不良群の早期特定により、免疫チェックポイント阻害剤治療などの適切な選択を支援することができる。
T細胞系の免疫チェックポイントに対する抗体医薬は多くの関心を集める一方、薬効は一部のがん患者に限定的と報告されている。そのため、薬効が確認できない患者向けとして、ミエロイド系免疫チェックポイントを阻害するコンセプトの治療薬開発が期待されている。そのうち、LILRB2(B2)及びLILRB5(B5)のリガンドと言われるMHC class 1はまだ仮説の域を出ず、またLILRB3(B3)はリガンドが不明であり、治療薬開発研究にかかせないリガンド特定が必要である。 本発明はB2、B5及びB3とインテグリン(ITG)と間の相互作用を見出し、それら相互作用を阻害することによる治療コンセプトを提案する。 本技術のポイント: ・新規相互作用の発見: B3などが細胞接着分子ITGのβサブユニットと直接結合し、免疫細胞の機能を抑制していることを特定した。 ・免疫細胞機能の根本的改善: 免疫細胞の接着・遊走・活性化に必須なITGの活性化を直接制御できるため、結合を阻害する物質(例:抗LILRB抗体など)を有効成分とし、抑制されていたITGの活性化を促進し、免疫細胞の機能を回復させる 。
■東北大学技術のご紹介 アジア文化特有の感情表現を紐解くため、アジア人による多様な感情を対象とした身体動作データベースDIEM-A (Diverse Intercultural E-Motion Database of Asian Performers)を構築した。 ・ 97人のプロの役者(日本から54人、台湾から43人)による10,000を超えるモーションキャプチャデータ&ビデオデータ ・ 12の感情(喜び、悲しみ、怒り、驚き、恐れ、嫌悪、軽蔑、感謝、 罪悪感、嫉妬、恥、誇り)とニュートラル状態の感情表現を収録 ・ 各感情カテゴリーは、パフォーマーが自ら用意した3つのオリジナルシナリオで構成され、 低・中・高の3つの強度レベルで収録 ・ シナリオは日本語、英語、中国語で提供され、感情の誘因となる文化的な背景を 詳細に説明する文脈情報が含まれている 研究用途には無償で提供しております 商用利用をお考えの方はお問合せください
緑内障は、網膜から脳へ視覚情報を伝達する網膜神経節細胞が徐々に脱落し、進行性の視機能障害を来す加齢関連の難治性眼疾患である。超高齢社会を迎えた我が国では罹患者数の増加が見込まれ、対策は喫緊の課題である。 緑内障は多因子疾患であり、その一因として酸化ストレスが挙げられる。主要な酸化ストレス源である活性酸素種(Reactive Oxygen Species;ROS)は、ミトコンドリアでのATP生合成過程で恒常的に生じ、細胞毒性刺激下では過剰生産されて細胞死を誘発する。 近年、システイン由来の超硫黄分子が従来の抗酸化物質より強力なROS消去能を有することが報告されている。また、ミトコンドリア型システイニルtRNA合成酵素(cysteinyl-tRNA synthetase;CARS2)が超硫黄分子の主要な生成酵素であることが報告されている。 本発明者らは、CARS2の発現増強または活性化により超硫黄分子の合成が亢進し、ROS産生および酸化ストレスが低下して、結果としてRGC死が抑制されることを見出した。本発明は、酸化ストレス依存的なRGC死を抑制しうる網膜・神経疾患の予防および治療に資する技術である。
■東北大学技術のご紹介 重症呼吸不全や酸素飽和度の低下を呈する患者に対して、体外式膜型人工肺(ECMO)が使用されているが、従来のシステムは大掛かりで侵襲性が高く、操作にも専門性が求められる。そこで本発明は、小型で簡便、かつ効果的な酸素化・二酸化炭素除去を実現するシステムを提案する。 具体的には、小型軸流血液ポンプを内蔵した二重腔構造のカニューレ(ダブルルーメンカニューレ)を用いた膜型酸素化システムである。中空糸膜を活用した酸素化層をカニューレ内部に構築し、カニューレ単体で血液の送血・酸素化・二酸化炭素除去を可能とする革新的な設計とした。 ・ポンプと酸素化器を一体化:追加の人工肺ユニット不要 ・単一ポート挿入:大腿静脈または頸静脈からの経皮挿入で、右心房までアクセス ・再循環制御:回転速度調整による流量・酸素化性能の最適化が可能 ・低流量下でのガス交換実証:Proof of Conceptとして、0.2 mL/minでの酸素化・CO₂除去性能を確認
マイクロニードルは、その微細針に薬剤を塗布/含有させ、組織に穿刺・薬剤溶出する侵襲の低い薬物投与方法として用いられる。一方で、マイクロニードルを用いた導入時の薬物動態に関する仮定は、薬品が治療効果に対して十分な投与量を導入した場合に限られており、安全性や有効性に関する定量評価には課題があった。 本装置は皮膚内部モデルを再現することにより、マイクロニードルの穿刺特性、例えば穿刺の深さ、穿刺の方向、穿刺の到達される皮膚もしくは皮下組織や血管、消化管など臓器または器官の組織への侵襲程度と領域、といった指標を定量的に評価することが実現できると考えられる。 特に、拍動を模擬した動的駆動機構や粘弾性等の物性調節機構を持たせることができる他、マイクロニードルの物理的な穿刺の程度もしくは穿刺時の対象物の動的な変形を含む力学的な相互変形作用を、ステレオカメラ等を用いて高精度に計測することができる。
■東北大学技術のご紹介 セルロースナノファイバー(CNF)と銀ナノ粒子(AgNPs)のコンポジットは、優れた分散性を有する担体を形成できるため、銀の導電性・触媒特性・抗菌特性といった機能を最大限に引き出すことが可能である。また、担体であるCNFは植物由来で低環境負荷であることから、SDGsの観点からも注目されている。 しかし、従来の同コンポジットの作製手法は湿式還元法が主流であり、廃液が発生したり洗浄工程が必要となることから、環境負荷が高く、よりシンプルなプロセスが求められていた。 そこで本発明では、超音波処理によってCNFを均一に分散させるとともに、原料である酸化銀を同様に超音波で還元し、CNF/AgNPsコンポジットを作製する手法を開発した。この方法は環境負荷の高い原料を用いる必要がなく、簡便なプロセスでコンポジットが得られるため、従来課題を解決するものである。 さらにこの製法で作成したCNF/AgNPsの銀は高分散しており、また充填率が従来品より高いことから銀の特性を最大限に引き出すことも期待される発明である 整理番号:T25-046
プラチナ感受性再発・転移頭頸部扁平上皮癌に対する初回治療として、ペムブロリズマブ(免疫チェックポイント阻害剤:ICI)+化学療法(5-FU+シスプラチン/カルボプラチン)、またはcombined positive scoresによるPDL-1陽性例においてペムブロリズマブ単剤療法を行うことが推奨されている。二次治療としては、セツキシマブ(抗EGFR抗体)+パクリタクセル(CET+PTX)の併用療法が本邦では選択されることが多い。 発明者らの研究によると、一次治療としてのペムブロリズマブ療法への治療効果と、二次治療としてのCET+PTX療法への治療効果とは、相互排他的に相関する(右図)。遺伝子発現解析などにより、当相関に関連する指標物質が見出された。 本発明は、当該指標物質を測定することによる、対象患者における各抗癌剤の治療効果を予測するための方法に関する。
バイオテクノロジーやヘルスケア分野では、微細な温度変化や発熱量の高精度な測定が必要不可欠である。いくつかある温度センサの計測原理の中で,熱電対が最も使用されている.熱電対の性能(温度感度や出力)は構成する材料のゼーベック係数で決まる.熱電対に使用される材料は熱電特性をもつ固定で,そのゼーベック係数はせいぜい数百µV/K程度である。 本発明は、ゼーベック係数が高いイオン液体を熱電対に用いることで従来の個体熱電材料よりも圧倒的な高感度を実現し,液体を使用しているが故にフレキシブル化も可能な温度センサデバイスである.個体に対して,液体は界面を維持することはできない.その解決法として,マイクロ流体チップを用いて物理的には接触しないが,電気的には接続されている環境を構築して実現した.このデバイスにより,従来にない高感度で曲面を含む様々な環境での温度検出が可能となる。
■北海道大学技術のご紹介 単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)は、光学特性や伝導特性、電子移動度、機械的強度等に優れることから、次世代のエレクトロニクス材料として期待されている。SWCNTsの合成方法としてはレーザー蒸発法やアーク放電法等が知られているが、これらの方法で生成するSWCNTsには様々なカイラリティが混在しており、理想的な特性が得られにくいという課題がある。そのためSWCNTsのカイラリティを分離する手法として、ポリマーラッピングや密度勾配超遠心分離法といった方法が存在するが、前者は分離できるカイラリティが限定されていたり、後者は前工程の超音波分散処理でSWCNTsの長さが短尺化されるため最終的なデバイスにおける電気抵抗値が高くなってしまうという問題があった。 そこで、新たなSWCNTsの精製方法を開発したところ、本発明では様々なカイラリティの分離を長尺で実現、またカイラリティのエナンチオマーを分離することにも成功した。 本発明で得られる高純度なカイラリティを有する長尺のSWCNTsを応用することで、今まで実現が出来なかったような高速、高感度なデバイスの実現が期待される。
慢性腎臓病(CKD)は、世界の主要な健康問題の一つである。腎不全が進行すると透析に至るため、その治療法の開発が急務であるが、腎機能を改善する薬はない。 発明者らは、過去に、便秘症治療薬であるルビプロストンが腎機能の悪化に伴って変化する腸内環境を改善させることにより、体内の尿毒素蓄積を軽減させ、腎臓の障害進行を抑制する効果があることをマウスを用いた実験で明らかにしている1。 今回、発明者らは、ルビプロストンの腎機能に対する効果を検証する第二相臨床試験を実施した結果、ルビプロストンを投与した患者群ではプラセボ群と比較して腎機能(eGFR)の悪化が容量依存的に抑制されることを見出した。さらに、患者検体の網羅的解析から、ルビプロストンは腸内細菌叢を変化させることで、ミトコンドリア機能を改善するスペルミジンの産生を促進し、腎臓のミトコンドリア機能を改善することを明らかにした。
従来、てんかんの外科手術の際、切除するてんかん原性領域(EZ)は、脳波、CTやMRI、SPECTやPET等の検査結果を総合的に判断して専門医がEZを決定している。従来法は、1,精度の低さ、2、検査期間の長さ(最低1週間程度必要)、3,患者負担の大きさ(脳波計の設置とEZの切除の計2回の手術)、という点に課題がある。 本発明は、発作間欠時の高周波脳波を解析することで、てんかん発作を待つことなく、高精度かつ迅速に発作起始部(SOZ)およびEZを推定することができる。具体的には脳波計(電極)の設置後から、30分程度でEZを高精度に決定することができるため、理論上1度の手術でEZの決定から切除まで行うことが可能となり、患者負担を大幅に減らすことができる。 本発明を基にした、リアルタイム脳波解析ソフトウェアの開発やソフトウェアを搭載した脳波計への実装が期待される。
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は持続的効果や長期生存をもたらす。一方、効果のある患者が限定され、かつ治療費が高額であることから、事前の適応判定が不可欠である。現在、治療効果の予測に用いられているPD-L1発現検査などの免疫組織化学的手法は、腫瘍標本の局所的な発現の評価に過ぎず、全身の免疫応答を十分に反映してはいない。癌は全身性疾患であるため、血液中のバイオマーカーによって全身免疫を評価可能な手法が求められている。 発明者らは、扁平上皮癌患者を対象に、リン脂質の一種であるリゾホスファチジルコリン(LPC)の血中濃度とICI投与後の臨床成績との関連を解析した。その結果、高LPC群は低LPC群と比較してICI投与後の全生存期間が優位に延長することをことを見出した。LPCは血液検体で評価可能なため、腫瘍だけではなく全身の免疫応答を反映し、また生検不要で患者負担を軽減するという利点を有する。本発明はICI治療の効果を予測する新規臨床検査薬の開発に貢献することが期待される。
■北海道大学技術のご紹介 円偏光はキラル物質に対し右・左で吸収が異なる円二色性が知られる。 一方、光渦はスピン角運動量を持つ円偏光と異なり軌道角運動量を持ち、トポロジカルチャージ l は ±1、±2、±3… と理論上無限に取り得る。 この多様な自由度により、円二色性では困難だった物性評価やキラリティ識別、光学応答の新たな観測手法(光渦二色性)の実現が期待される。 しかし、従来の低周波変調に限られた光渦発生装置はノイズでSN比が悪く、十分な分析や測定が難しかった。 本発明は光学系の工夫で約50 kHzの光渦左右変調を実現し、ノイズ影響を低減して高感度化した。 効果として、従来の円二色性では観測が困難だったねじれ金ナノロッドダイマー(TND)の 「幾何学的ねじれ」を検出。これは微細配線の金属欠陥検出に有用で、半導体、MEMS、メタマテリアル等の不良検査への応用が見込まれる。 さらに、円二色性では観測できなかった新たな物性の発見・評価やキラリティ識別を可能にする技術展開が期待される。
■東北大学技術のご紹介 セルロースナノファイバー(CNF)は、木材繊維から得られる高結晶性微細繊維であり、軽量・高強度・低熱膨張といった優れた機械特性を有する環境適合型新素材である。この特徴を生かし、自動車部材や電子デバイス、ガスバリア材、医療用材料に用途展開が期待され、研究・開発が進められてきた。他方、CNFから成る単繊維を創成する技術の開発も行われており、高強度の長繊維が得られている。 このように、CNFを原材料にした機能性材料は多方面に展開されてきたなか、本発明はハイドロゲルの創製に関するものである。従来技術として、電気泳動や凍結架橋を利用する方法が知られていたが、大量生産には不向きであり、新しい手法が求められていた。 鋭意研究を重ねた結果、CNFの配向およびハイドロゲルの内部構造を精密に制御する手法を構築することで、不純物フリーの高強度ハイドロゲルを製造可能にした。制御パラメータをチューニングすることで、ゲルの強度を等方的から異方的なものまでデザインできることを見出している。