膜を傷める濁り・塩素・スケール成分を、膜の手前で取り除くのが前処理です。役割と主な装置の組み合わせを解説します。
RO膜や純水装置に原水をそのまま通すと、膜に汚れがたまったり、膜が傷んだりします。そこで本体の手前で水を整える工程が、前処理です。 ■前処理が取り除くものは? 前処理の役割は、大きく3つに分けられます。 1.濁り(細かな粒子など):膜の表面にたまってふさぐ 2.酸化剤(残留塩素など):膜の素材を傷める 3.スケール成分(カルシウムなど):濃縮されて膜面に析出する どれも、膜の性能を落とす原因になるものです。 ■料理の下ごしらえと同じ! 本番の調理の前に、泥を落とし、あくを抜いておくと仕上がりが安定します。前処理も同じで、膜に届く前に汚れのもとを減らしておく工程です。前処理が足りないと膜の汚れが進みやすくなり、薬品での洗浄が必要になります。 ■最後の関所は膜の直前に 前処理の最後には、膜のすぐ手前に、保安フィルターと呼ばれるカートリッジ式のフィルターを置き、前段で取りきれなかった粒子を受け止めます。必要な工程は原水によって変わり、すべての装置が要るわけではありません。まずはお気軽にご相談ください。
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基本情報
■主な前処理の装置 1.砂ろ過:砂などの層に水を通し、濁りを取る 2.活性炭ろ過:残留塩素を取り除く 3.軟水器:硬度成分(カルシウムなど)を取る 4.MF膜・UF膜:細かな粒子を膜でこし取る 5.保安フィルター:膜の直前で細かな粒子を受け止める 保安フィルターには、目の大きさが5μm程度のものがよく使われます。 ■薬品で補う方法もある! 残留塩素を取るために、亜硫酸水素ナトリウム(重亜硫酸ナトリウム)などの還元剤を注入する方法があります。また、スケールの発生を抑える薬品(スケール防止剤)を加える方法もあります。 ■水の汚れやすさを測るSDI SDI(シルト密度指数)は、膜をふさぐ細かな濁りがどれくらい含まれているかを示す指標です。孔の大きさが0.45μmのフィルターに一定の圧力で水を通し、ろ過の速さの落ち方から求めます。測り方は、ASTM D4189という規格で決められています。上限は5未満とされることが多く、汚れを抑えるためにさらに低い値(3程度以下)を求める資料もあります。
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用途/実績例
■原水で組み合わせは変わる? 前処理の構成は、原水の水質で変わります。 1.水道水:法令で残留塩素が保たれているため、塩素を取る工程が必要になる 2.濁りの多い水:SDIを下げるため、ろ過の工程を厚くする 3.硬度の高い水:スケール対策として、軟水化やスケール防止剤を検討する 同じ装置でも、原水が違えば必要な工程は別物です。 ■前処理が不十分だと? 膜に汚れがたまると、同じ圧力でも透過水が減り、膜の前後の差圧が上がります。汚れを落とすには、薬品での洗浄が必要になります。 ■汚れと劣化は別もの! 膜の性能低下には2種類あります。表面にたまった汚れ(ファウリング)は洗浄で戻ることが多い一方、塩素などで膜そのものが変質する劣化は元に戻りません。だからこそ、膜に届く前に防ぐ前処理が大切です。 ■日常はどこを見る? 前処理の効き具合は、記録から見えてきます。膜の差圧、透過水量、膜に入る水のSDIを定期的に確かめておくと、汚れの進み具合に早めに気づけます。まずはお気軽にご相談ください。
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