アンモニアを硝酸に変え、窒素ガスとして水から出す。なぜ脱窒槽を硝化槽の前に置くのか?2つの反応の条件と組み合わせ方を解説。
排水に含まれる窒素は、有機性窒素やアンモニア、亜硝酸、硝酸などの形で存在します。生物処理で窒素を除くときは、アンモニアを酸素のある状態で酸化する「硝化」と、できた亜硝酸や硝酸を窒素ガスに変える「脱窒」を組み合わせます。 ■硝化は2種類の細菌のリレー? 硝化は、次の2つの反応で進みます。 1.亜硝酸菌:NH4+ + 3/2O2 → NO2- + 2H+ + H2O 2.硝酸菌:NO2- + 1/2O2 → NO3- この2つの細菌をまとめて硝化菌と呼び、それぞれアンモニウムイオンと亜硝酸イオンをエネルギー源にしています。 ■窒素はどこへ消える? 脱窒菌は、有機物を酸化するときに必要な酸素が足りないと、その代わりに亜硝酸や硝酸の中の酸素を使います。その結果、硝酸などは窒素ガスに還元され、水の外へ出ていきます。硝酸の場合は「2NO3- + 5H2 → N2 + 2OH- + 4H2O」と表され、このH2は脱窒菌の代謝によって有機物から与えられる水素です。まずはお気軽にご相談ください。
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基本情報
■条件が正反対の2つの反応! 硝化は溶存酸素がある状態で進み、脱窒は無酸素か溶存酸素がごく低い状態で進みます。脱窒で許容できる溶存酸素の上限は決めにくいものの、通常0.5mg/L程度です。また脱窒には有機物が必要で、窒素量の3〜5倍量のBODが必要です。有機物が足りないと、脱窒は進みにくくなります。 ■硝化菌はゆっくり増える 亜硝酸菌の最大増殖率は他の微生物に比べて例外的に小さく、25°Cでも1日あたり0.3程度です。余剰汚泥の引き抜きが多すぎて汚泥日令(槽内の汚泥量を1日の余剰汚泥量で割った日数)が短い運転が長く続くと、亜硝酸菌は活性汚泥の中にとどまれなくなります。 ■水温は28°C付近が最適 水温は15〜38°Cの範囲に保つ必要があり、28°C付近が最適です。 ■酸素はどれだけ要る? 硝酸まで酸化する場合、硝化に必要な酸素はアンモニア性窒素1kgあたり約4.6kgです。BODの酸化や汚泥の呼吸に使う酸素とは別に、この分の曝気が上乗せになります。
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■脱窒槽を前に置くのはなぜ? 硝化槽の前に脱窒槽を置き、硝化槽の混合液を脱窒槽へ循環させる方式が広く用いられています。流入水のBODを、脱窒に必要な有機物として使えるからです。原水のBODが十分にあれば、この段階の脱窒率は循環率nと汚泥返送率rから「n/(1+n+r)」で求められ、例えばn=3、r=1なら60%です。循環を増やすと動力も増えるため、通常は50〜80%で設計し、残りは後段の第二脱窒槽でメタノールなどを加えて除く例が多くあります。 ■硝化を止める物質もある! 亜硝酸菌の活動を阻害する物質には、シアンや水銀イオンなど呼吸に毒性のある物質や、チオ尿素系の有機物があります。また、アンモニウムイオンの濃度やpH、液温が高いほど、亜硝酸菌に毒性のあるガス状のアンモニアが生じやすくなります。 ■処理水の窒素を測る 硝化・脱窒がうまく進んでいるかは、処理水の窒素の値で確かめます。当社では、全窒素や全りん、CODを測る装置を定額制でお貸しし、保守まで行っています。まずはお気軽にご相談ください。
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