【事例紹介】高分解能GCMSを用いた食用油中の高精度PAH定量
多環芳香族炭化水素(PAH)の正確かつ高感度定量を高分解能GCMSにより実現
多環芳香族炭化水素(PAH)は、有機物の加熱などで生成される成分で、発がん性など身体への影響が懸念されることから、国・地域によっては食品中に含まれるPAH類が規制されています。とくに食用油は、原料から搾取する際に前処理として加熱を行う場合があるため、原料そのものにPAH類が含まれていなくても、熱処理過程でPAH類が生成される可能性が指摘されています。 各国でPAHに関して基準値が定められているため、食品を国外へ輸出する際に安全性検査が必要になる場合があります。これらの基準値は年々厳しくなっており、基準値を正確に定量するには高感度検出ができる測定装置が求められます。 本アプリケーションノートでは、高分解能GCMSであるOrbitrap GC-Mシステムの高い質量分解能・質量精度により、マトリックス成分の妨害なくPAH類を高感度定量した事例をご紹介します。フルスキャン測定によるデータ取得を行うので、メソッド開発が容易であり、回顧的な解析(過去に測定したサンプルに新規追加された規制対象成分が入っていなかったかの確認など)が可能となります。