プラスチックパレットの熱溶着工程でPP樹脂のくっつきによる生産性低下を防ぐには
熱溶着(熱板式溶着)は、プラスチックの部品の接合したい部分を、高温の金属板(熱板)へ接触させてプラスチック表面を一時的に融かし、融けたところ同士を押し付けることで一体化させる接合方法です。
一部のPP樹脂(ポリプロピレン樹脂)製のプラスチックパレットは、上面部と下面部に分かれたものを熱溶着によって一体化することで製造されています。
このプラスチックパレットの熱溶着工程で使用される熱板には、融けたPP樹脂が熱板表面にくっつきにくくするために、ふっ素樹脂の持つ「他の物質がくっつきにくい性質(非粘着性)」を活かしたふっ素樹脂コーティングが施されています。
しかしながら、熱板を使用していくうちに、ふっ素樹脂コーティングは傷ついたり、剥がれたりして、徐々に樹脂がくっつくようになってしまいます。熱板表面に樹脂がくっついてしまうと、次のような問題が発生します。
・くっついた部分から糸をひくように樹脂が伸ばされて製品の外観を損なう
・くっついて焦げ付いた樹脂が接合部分に混入して接合部の強度低下を招く
・熱板の交換で製造ラインを一時的に停止するため、生産性が低下してしまう